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奈良県平群町で計画されている大規模太陽光発電所(メガソーラー)をめぐり、大阪高裁が6月、住民の訴えを認める逆転判決を下した。開発地区の下流域に住む住民らは、水害や土砂災害のリスクにさらされているとして、県の建設工事許可に「看過しがたい不合理な点がある」と判断。県は判決を尊重する方針だが、開発事業者は引き続き争う構えだ。この計画は外資系企業が主導し、高市早苗首相の選挙地盤でもある同町では不安が広がっている。
大阪と奈良の境界に位置する生駒山地の東側一体は、古事記にも登場する歴史ある美しい里山だが、開発地の最寄り駅に降り立つと、切り開かれたむき出しの山肌が目立つ。面積は甲子園球場の12個分以上に相当する約48ヘクタールで、約5万枚の太陽光パネルを設置する工事が進行中だ。
7月2日に現地を訪れた記者は、造成中の斜面の一部が崩落しているのを確認した。反対運動を主導する須藤啓二町議は「6月の台風で崩れた。これではさらに大きな雨が降ったときが心配だ」と語り、不安をあらわにした。
着工後に大雨が降るたびに、工事現場を経由して住宅街を流れる水路は茶色く濁り、急激に水位が上昇するようになった。水害への危険を感じた住民らは、令和5年8月に今回の訴訟を提起した。
問題の発端は約10年前、平成25年にまでさかのぼる。当初の計画が動き始め、県は令和元年11月に開発許可を出した。その後、東京都港区の「協栄ソーラーステーション合同会社」が事業を引き継いだ。申請内容に重大な誤りが発覚し、県が工事を一時停止させた経緯もあるが、令和5年2月に変更後の申請を再許可。この許可の是非が、今回の訴訟の争点だった。