t>

2026年上半期、原油高や物価高の長期化を受けて多くの消費者が節約志向を強めている。しかし、そうした逆風の中でも、ある商品カテゴリーが大きく売り上げを伸ばしている。東洋経済オンラインがまとめた「売れた」「売れなくなった」商品ランキングには、ナフサ不足や節約ブームだけでは説明できない意外な結果が表れた。その背景には健康志向の高まりや「推し活」ブーム、さらには中東情勢の変動など複数の要因が絡み合っている。
売り上げを伸ばした最たる例が、機能性飲料とプロテイン製品だ。特に、免疫力向上や疲労回復をうたったドリンクは、前年同期比で約1.5倍の成長を記録した。ある小売大手のバイヤーは「消費者が節約する一方で、健康への投資は惜しまない傾向が強まっている」と話す。また、アニメやゲームのキャラクターとコラボした菓子や雑貨も、いわゆる「推し活」需要で好調だ。推しのためなら支出を厭わない若年層が、このカテゴリーを押し上げている。
一方で、売れなくなった商品のトップは、家庭用の一般洗剤やプラスチック製日用品だった。背景には、ナフサ価格の高騰による原材料費の上昇と、それに伴う価格転嫁がある。ある生活用品メーカーの広報担当者は「消費者が『詰め替え用』や『業務用サイズ』を選ぶようになり、通常サイズの商品が在庫として積み上がっている」と明かす。また、中東情勢の緊迫化で輸入コストが跳ね上がった木材やパルプ製品も、販売数量が減少している。
さらに、ランキングの意外な点は、低価格志向の裏返しとして、中古品やリサイクル品の市場が拡大していることだ。例えば、リユース家電や古着の販売は、新品の購入を控える消費者を取り込み、前年比で2割増となった。ただ、これは節約だけが理由ではない。環境意識の高いZ世代が「サステナブルな消費」を重視し、あえて中古を選ぶ動きも寄与していると、消費動向アナリストは指摘する。
こうした結果から浮かび上がるのは、消費者が単に値段だけで判断しているわけではないという実態だ。健康や趣味、環境といった価値観に基づく「賢い選択」が、商品の浮き沈みを左右している。2026年下半期も、地政学リスクや為替変動の影響が続く見通しだが、企業には従来の価格競争から脱却し、こうした新たな消費者ニーズに合わせた戦略が求められている。