国民党兵士の晩年追う「老兵挽歌」公開へ 栄誉か弾圧か、複眼的理解促す林監督

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Kenji Watanabe
エンタメ - 22 5月 2026

国共内戦に敗れて大陸から台湾に渡った中国国民党の兵士たち。退役し晩年を迎えた彼らの胸に去来する思いとは-。台湾で多くのドキュメンタリーを手掛けてきた林雅行監督の最新作「老兵挽歌~異郷に生きる」の試写会が12日、東京・虎ノ門の台北駐日経済文化代表処「台湾文化センター」で行われた。林監督は「外省人の元兵士たちも民主的な台湾を構成する一員であり、作品を通じて台湾社会を複眼的に理解してほしい」と語った。

1949年、蒋介石総統とともに台湾に逃れた国民党軍の将兵は約64万人。高度経済成長を経て民主化を実現した台湾にあって、退役した元兵士らは「栄民(栄誉国民)」と呼ばれる一方、多数派の本省系住民からは国民党独裁を支えた「弾圧者」との批判も受け続けてきた。

「老兵挽歌」では、元兵士らが各地で集団生活をする施設「栄民の家」にカメラが入り、その暮らしぶりを詳しく紹介する。施設内での日常や彼らの心情が丁寧に描かれている。

少年時代に拉致同然の手口で国民党に徴兵され「抗日戦争」に参加した男性。国共内戦で中国共産党軍の捕虜となった後、人民解放軍の義勇兵として朝鮮戦争に赴き、今度は国連軍の捕虜となって台湾に渡ることを選んだ「反共義士」。戦争に翻弄され続けた男たちが半生を振り返り、自らのアイデンティティーや現在の中台関係について思いを語る。

ごく少数存在する本省系の栄民と大多数の外省系栄民との間の施設内での対立や、自分の娘ほど年齢の離れた中国人女性との結婚生活なども、ありのままに描き出されている。

台湾の金鉱の町の歴史をテーマにした「風を聴く~台湾・九●(にんべんに分)物語」や、国共対立の最前線だった金門島で砲弾を材料に包丁をつくる職人を追った「呉さんの包丁~戦場からの贈り物」など、台湾を題材にしたドキュメンタリー作品が多い林監督。「老兵挽歌」は実は平成23年に完成しており、24年秋以降の尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日中間の緊張の高まりなどを背景に公開を見送っていたという。

今年11月の中台首脳会談や、政権交代の可能性がある来年1月の総統選などを踏まえ、このタイミングでの公開に踏み切った。試写会で林監督は「なかなか売れそうにもない映画ですよね」とおどけて会場の笑いを誘った。

「特権を受けていると栄民を批判する声もあるが、彼らも含めて台湾の社会は存在する。歴史のひとつの側面としてとらえてほしい」。証言した元兵士たちは四川省など中国内陸部の出身者が多く、「方言がきつくて現地出身の中国人を含め4、5人がかりで翻訳した部分もあった」と苦労話を明かした。

なお林監督の次回作は、台湾で生まれ戦後に日本に引き揚げた「湾生」と呼ばれる日本人がテーマで、すでに撮影を始めているそうだ。

「老兵挽歌」は来年1月9日から東京・渋谷の「ユーロスペース」で公開。2月下旬に大阪市の「シネ・ヌーヴォ」、3月下旬には横浜の「シネマ・ジャック&ベティ」でも公開予定。上映時間は103分。(西見由章)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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