
インド料理店を営むクマールさん(仮名)は、15年以上にわたり東京都内でカレー店を経営し、地域住民を雇用し、税金もきちんと納めてきた。地元では「日本は我が家」と語るほど溶け込んでいたが、突然の入管ルール改定が彼の生活を一変させた。
2023年、出入国在留管理庁が技能実習制度の運用を厳格化し、特定活動ビザの審査基準も変更。クマールさんはそれまで長期滞在が可能だった在留資格の更新を申請したが、「経営の実態が不明確」として不許可となった。実際には従業員5人を雇用し、売上も安定していたにもかかわらずだ。
ビザ不許可により、クマールさんは店舗を閉鎖せざるを得なくなった。地域住民からは「彼こそがこの街の顔だった」と惜しむ声が上がる。家族は日本で育った子どもが学校に通っており、国外退去となれば教育の継続が困難になる。
専門家は「入管ルールの変更には経過措置がなく、長年貢献してきた人材を一方的に排除する欠陥がある」と指摘。特に中小事業者にとって、突然の基準変更は事業継続を不可能にするケースが相次いでいる。
クマールさんの弁護士は「彼のようなケースは氷山の一角だ。入管政策はもっと柔軟であるべきだ」と訴える。地域社会と共生してきた外国人労働者を守る仕組みが、今問われている。