t>

東北の地方都市に生きづらさを抱えた人たちが集う場所がある。開設したのは、かつて、ひきこもりの息子と共に明日への希望を失いかけた女性。「あなたはあなたのままでいい」。その日常を描いた映画「笑いのたね」(都鳥伸也監督)が完成し、各地で自主上映の動きが広がっている。
岩手県北上市の商店街にほど近い「ワラタネスクエア」。壁のないオープンスペースには日の光が差し込み、ゆったりとした音楽が流れる。お茶を飲む人、本を読む人、畳の上で横になり、ずっと居眠りする人もいる。
開設者の女性は、息子のひきこもり経験を経て、同じ悩みを抱える人々の居場所が必要だと痛感した。誰もが評価や競争から解放され、自分らしくいられる空間を目指したという。
映画「笑いのたね」は、このスペースの日常を1年間にわたり密着取材したドキュメンタリー作品。都鳥監督は、言葉にできない孤独や不安を抱える人々が自然体で過ごせる場所の大切さを伝えたいと語る。
自主上映は全国に広がり、仙台市や東京都内など各地で開催が予定されている。運営はボランティアの協力で成り立ち、利用料は無料。訪れる人々は、ありのままの自分でいられるこの場所を大切にしている。