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東京・新宿の老舗ジャズ喫茶「DUG」が、2026年6月27日で65年の歴史に幕を下ろす。作家・村上春樹氏をはじめ、タモリら多くの文化人が通った伝説的な空間は、変わりゆく街とともに音楽と時代を見守り続けてきた。
「DUG」は1961年、現オーナーの父親である故・中村氏が創業。地下の狭い空間にスピーカーを据え、ジャズのレコードを流すスタイルは新宿のサブカルチャーの象徴となり、村上春樹の『ノルウェイの森』にも登場するなど、文学や音楽ファンの聖地として知られてきた。
閉店の直接の理由は、築50年以上が経過したビルの老朽化と、周辺の再開発による賃料の高騰だ。オーナーの中村氏は「ビルの耐震性に不安があり、改装費用も莫大。音楽に集中できる空間を維持するのが難しくなった」と話す。
過去にも何度か移転や閉店の危機はあったが、そのたびにファンの支援や店主の執念で乗り越えてきた。しかし今回は「音響のクオリティを落とさずに続けるのは無理」と判断。突然の発表に常連客からは驚きと惜しむ声が相次いでいる。
「DUG」が残したレコードコレクションや内装の一部は、今後別の形で保存・展示される可能性がある。父子2代で守ってきたジャズの灯は、新宿から消えても、音楽史に刻まれるだろう。