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来日中の国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長は26日、東京都内で日本記者クラブの会見に臨み、イランの核関連施設への査察について強い意欲を示した。米国とイランが先ごろ合意した覚書に「IAEAが監督する」との文言が明記されたことを根拠に、「監督のためには現地での査察が不可欠だ」と述べ、早期の実施に前向きな姿勢を打ち出した。既に先週末、スイスでイラン側との「初期段階の協議」が行われたことも明らかにしている。
イラン側が依然として査察受け入れに同意していないと主張している点については、グロッシ氏は「それは政治的な声明だ」と一蹴。覚書にIAEAの監督条項が盛り込まれた事実は「否定できない」と強調した。その上で「合意の目的は、イランが核兵器開発を行わないことを担保することにある。IAEAとして検証の仕組みを速やかに確保する必要がある」と、現地査察の重要性を改めて訴えた。
査察の具体的な時期についてグロッシ氏は「近いうちに現場に入りたい」と述べるにとどめた。また、イランが保有する高濃縮ウランの処分方法に関しては、覚書に明記された希釈処理に加え、第三国へ搬出する選択肢も視野に入れていることを示唆した。国際社会の関心が集まる中、今後の交渉の行方が注目される。
一方、東京電力福島第一原発を巡る処理水問題については、日本政府が各国の専門家を招き、モニタリング調査を実施している動きを評価。中国が「汚染水」と表現し続けていることに対し、グロッシ氏は「処理水は安全管理が行き届いた形で海洋放出されており、一切の『汚染水』は放出されていない」と明確に否定した。その上で「IAEAは最後の一滴まで監視を続ける」と述べ、国際的な信頼回復に向けた決意を表明した。
グロッシ氏の今回の発言は、米イラン間の緊張が続く中で核合意履行の確実性を問うものとして受け止められている。また、処理水問題では中国との溝が依然として深いものの、IAEAとして科学的根拠に基づく情報発信を徹底し、日本の取り組みを国際的に裏付ける立場を改めて鮮明にした形だ。