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7月3日から5日まで鈴鹿サーキットで開催された鈴鹿8耐のイベント広場で、最も注目を集めたのがホンダブースだった。
新型CB400スーパーフォアのエンジン始動体験とEクラッチ操作が実施された。
筆者の青木タカオも驚いた。今年最大の注目モデルである新型CB400スーパーフォアが展示されていただけではない。
跨ってライディングポジションの確認、エンジン始動、排気音の聴取、さらに後輪をローラー台に載せてEクラッチの試乗まで可能だった。
来場者は皆足を止め、その場を離れようとしなかった。今回の鈴鹿8耐パドックで最大級の話題を集めた展示だった。
3台のCB400スーパーフォアが展示され、エンジン始動ができるのはレッドとマットブラックの2台。筆者はレッドに跨った。
生産終了となった“ヨンヒャクの王者”が、新開発の4気筒エンジンと最新電子制御を携えて帰ってきた。その実感で胸が熱くなった。最初に驚いたのは車格の絶妙さだった。
先代は教習車にも使われた日本のスタンダード。ニーグリップしやすいタンク形状は健在で、跨った瞬間に安心感を与えるのは先代と同じだ。
新型はシート前方とタンク後端を大きく絞り込み、足着き性を大幅に向上。身長176cm、体重65kgの筆者でも両足のソールがしっかり接地した。先代よりも足着きが良くリラックスできる。
ハンドル幅は先代よりわずかにワイドになり、より自然なポジションを実現。伝統のスーパーフォアらしさを残しつつ、現代技術でゼロから作り直した完成度だ。
一見して誰もがオートバイの理想形と感じるオーソドックスなスタイルは、今や貴重な存在だ。
だからこそ新型CB400スーパーフォアは「スタンダードバイクとは何か」を再定義した一台だと感じる。
さあ、エンジン始動。キーをONにすると5インチTFTディスプレイにホンダのウイングマークが浮かぶ。
新開発の直列4気筒エンジンは低音を効かせた心地よいサウンドを響かせる。その瞬間だけで気分は最高潮だ。昨年披露されたCB1000Fより排気音は静かだが、その静けさの中に上質さがある。
スロットルは展示用で大きく開けられないが、軽くひねるだけで鋭く吹け上がる。
やっぱりヨンヒャク4発は気持ちいいと感じさせるレスポンスだ。
メカノイズが非常に少なく、VTECを採用しない新世代4気筒は洗練されたフィーリング。排気音そのものを楽しませるエンジンだ。
メーター画面にはライディングモードが表示され、スタンダード、スポーツ、アーバン、ユーザーモードが確認できた。
もう一つの主役はEクラッチ。ホンダが開発した二輪初の技術で、クラッチレバー操作なしでシフトペダルによる変速が可能だ。
エンジン左側のユニットは自然に収まり、跨ると存在をほぼ感じない。クラッチレバーに触れずに1速に入れ、そのままスロットルを開け、クラッチ操作なしで2速、3速へシフトアップ。
このスムーズさはEクラッチ採用車で何度も体験してきたが、新型CB400スーパーフォアとの組み合わせは特に相性が良い。もちろんクラッチレバーを握れば従来のマニュアル操作も可能だ。
今回の展示は新開発4気筒エンジンだけでなく、Eクラッチの完成度を体感してもらうことに重点を置いていた。
不特定多数の来場者が自由にエンジン始動できるということは、ほぼ量産仕様と考えて良い。昨年のCB1000Fがその例だ。正式発表は近い。
さらに展示内容から、CBR400RやNX400と同様に、新型CB400スーパーフォアもEクラッチ専用モデルになる可能性が高い。
ホンダ関係者は「若い人でも手が届くように、買いやすい価格にしたい」と語った。価格面でも大きなサプライズが用意されている可能性がある。
昨年のCB1000Fは139万7000円という戦略価格だった。より多くのユーザーに届けたいCB400スーパーフォアは、さらに思い切った価格設定を用意するはずだ。
2気筒のCBR400R Eクラッチは99万9900円。順当なら4気筒のCB400スーパーフォアは100万円を超える。
しかしホンダは勝負に出るかもしれない。このモデルは普通の新型車ではない。ホンダの象徴であり、日本の400cc市場を再び盛り上げる使命を背負った重要機種だ。
だからこそ「100万円切り」という大胆な価格設定もあり得る。
もし実現すれば爆発的ヒットは間違いない。鈴鹿で感じた熱気は未来を予感させる。正式発表の日はすぐそこだ。
さらにフルカウル版の新型CBR400Rフォアも展示され、筆者はこれにも跨った。
ソリッドな面質と最小限のラインで構成されたシームレスなフォルムは、最新EVにも通じる引き算の美学を二輪に落とし込んだデザインだ。一歩間違えれば地味になりかねないが、新型CBR400Rフォアは一目で視線を奪う力強いキャラクターラインを持つ。
タンクカバーとミドルカウルのアウトラインを同じ角度・同じ高さで揃え、車体全体を一本のラインが貫くようにデザイン。複雑な造形に頼らず最小限のラインでスピード感と力強さを表現している。
CBRシリーズでは珍しい金属調シルバーの採用も印象的。メカニカルな雰囲気を際立たせ未来感ある存在感を放つ。
大胆に刷新されたヘッドライトも印象的。従来の二眼デザインではなく、左右を貫くV字シグネチャーライトを新採用。その中にプロジェクターライトを組み込み、CBRらしさを継承しつつ新しいスポーツモデル像を築いている。
気になるライディングポジションはCB400スーパーフォア同様に余裕があるが、セパレートハンドルの採用でやや前傾が強まりスポーティだ。
ハンドル切れ角は若干少ないが、スポーティな走りへの期待が高まる。こちらも発売間近の仕上がりだ。
さあ、ホンダの新型ヨンヒャクが本格的に動き出そうとしている。
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