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第175回直木賞の候補に、江戸時代後期の国学者・塙保己一を主人公にした蝉谷めぐ実さんの小説「見えるか保己一」(KADOKAWA)が選ばれた。保己一の出身地である埼玉県本庄市では、吉田信解市長がSNSで「市長として大いにPRしたい」とエールを送り、受賞に備えてくす玉割りの準備を進めている。選考会は15日に開かれる予定だ。
今年生誕280年を迎えた保己一は、武蔵国保木野村(現在の本庄市)に生まれ、病気のため7歳で失明した。15歳で江戸に出て、雨富検校の門人として按摩や鍼灸の修行に励んだが、学問への志は決して捨てなかった。
保己一は優れた記憶力と集中力を武器に数々の苦難を乗り越え、独学で文献学を極めた。盲目でありながら、膨大な量の古典を暗記し、研究を重ねて大成した姿は多くの人々に感銘を与えている。
彼は全国に散らばっていた古い書籍や資料を約40年かけて収集・整理し、全666冊に及ぶ叢書「群書類従」を完成させた。この業績は日本の典籍保存に大きな足跡を残し、後世の研究基盤を築いたと評価されている。
吉田市長は同作について「本庄市の誇る偉人が描かれた作品。受賞を心待ちにし、市長として活発にPRしていきたい」と語り、地元ではくす玉を用意して結果発表を待つ。本庄市の熱い期待が高まる中、直木賞の行方が注目される。