
X(旧ツイッター)上で、高市早苗首相の投稿に対する一つの返信が瞬く間に拡散された。表示回数は15万8千回、1300件以上の「いいね」が集まった。ところが、この返信を投稿したアカウントのプロフィルに記載された所在地は、アフリカ西部のナイジェリアだった。ナイジェリアはアフリカ最大の産油国だが、貧富の差が激しいことで知られる。
その返信は、2月24日に高市首相が衆院選で当選した自民党議員へのカタログギフト配布について釈明した投稿に対して寄せられた。内容は「一般庶民は終わりの見えない物価高と重税で、毎日が『大変厳しい』サバイバルです。それなのに、特権階級の政治家センセイたちは、身内で高級ギフトを贈り合って慰め合いですか」というものだった。これに対し、賛同するコメントが相次ぎ、「結局は『選挙前だけ国民のための政治』をやるやる詐欺だったって事」といった書き込みも見られた。
このアカウントの過去の投稿を調べると、ふだんは英語を使っていたが、数千万回表示される日本の暴露系アカウントなどの投稿には日本語で返信していた。さらに、生成AI(人工知能)の提案文とみられる日本語も複数残っていた。
こうしたアカウントは、閲覧者数を増やして収益を上げる目的でXに投稿する「インプレゾンビ」と呼ばれる。生成AIを使って投稿文を作成するケースが増えており、ナイジェリアなどの国外から日本語の投稿を大量に送り込む実態が浮かび上がった。
この連載では、SNSのアルゴリズムを活用したビジネスの事例を複数取り上げている。生成AIによって形だけ整えられた価値のない言葉が量産される現実を、多くの人が知るべきだろう。メディアリテラシーやSNSの具体的な使い方について、学校教育での取り組みが一層求められている。
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