
京都大学は5月7日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)に関する基本特許の権利延長に向け、6月までに特許庁へ申請する方針を明らかにした。再生医療等製品として条件・期限付き承認を得た製品が2件あるため、最長5年間の延長が可能となる。
同大の山中伸弥教授らの研究グループは2006年にマウス、2007年にヒトのiPS細胞を世界で初めて作製した。基本特許は2006年12月に国際出願され、今年12月に20年の有効期限を迎える。
特許権の存続期間は原則として出願から20年だが、医薬品などは承認取得に時間がかかり特許権を活用できない期間が生じる。このため、一定の条件を満たせば最長25年まで延長できる制度がある。
厚生労働省は今年3月、iPS細胞を用いた2種類の再生医療等製品の製造販売を世界で初めて条件付きで承認した。京都大学はこの承認を理由に、特許延長の要件を満たしたと判断し申請に踏み切る。
今回の延長申請が認められれば、iPS細胞技術の実用化に向けた特許保護期間が延び、研究開発や事業化へのインセンティブ強化につながると期待される。大学は知的財産戦略の一環として、関連特許の取得も継続的に進めている。