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チケットの争奪戦、当選をかけたアルバムの大量購入、突然のメンバー脱退――。HYBE傘下のアーティストを推す6人のファンが集まった匿名座談会では、熱狂の裏に隠れたリアルなモヤモヤが次々と明かされた。「抽選に外れるたびに、もっと課金しなきゃと焦ってしまう」と20代女性の参加者は語る。この声には、エンターテインメントビジネスが抱える顧客との関係性の難しさが凝縮されている。
座談会ではまず、チケット購入を巡る過酷な競争が話題に上った。「公式先行で申し込んでも倍率が数十倍。友達と協力して複数口で申し込むのが当たり前」「転売ヤーの存在もあって、本当に欲しいファンが手に入れられない」と参加者からは不満の声が相次いだ。ある30代男性は「当落発表のたびに仕事が手につかない。精神的に疲れる」と打ち明け、推し活が生活に及ぼす負担を吐露した。
次に、ファン同士で話題になったのはアルバムの大量購入問題だ。「特典やイベント応募のため、同じCDを何十枚も買うのが普通になっている」「月々の出費が軽く10万円を超える月もある」と参加者たちは自嘲気味に語る。一方で「企業側はライト層より熱心なファンに頼らざるを得ないのも理解できる」と冷静な見方も出た。課金の是非をめぐり、部屋の空気が一時的に張り詰めたという。
そして最も衝撃的だったのが、メンバー脱退に対する複雑な心境だ。「知らせを受けた日は会社を休んだ。裏切られた気持ちと、本人の意思を尊重したい気持ちがせめぎ合う」「グループの方向性が変わって、推し続けるかどうか悩んでいる」と複数の参加者が声を詰まらせた。座談会の司会者は「突然の発表にファンコミュニティは混乱し、SNSでは賛否が渦巻いている」と補足した。
座談会を通じて浮かび上がったのは、熱狂的な顧客をいかに獲得し、維持するかというビジネス上の普遍的な課題だ。「企業は私たちの愛情を搾取しているだけではないか」という疑念と、「それでも推すことで得られる喜びは大きい」という矛盾した感情。参加者の一人は「結局は自分で線引きすることが大事」と語り、健全な推し活の在り方を模索する必要性を示唆した。