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読書離れや書店減少、円安に伴う物資・版権の高騰――。翻訳出版が厳しい環境に直面するなか、早川書房が5月、約20年ぶりとなる海外文学の新レーベル「ハヤカワ・プラス」を創刊した。世界的な注目作をいち早く紹介する試みは好調な滑り出しを見せ、読者層の裾野を広げつつある。
熱心な読者はわずか2000人ともされる狭い海外文学市場で、いかに普段は読まない層に訴求し、需要を掘り起こすか。各社がそれぞれ知恵を絞っている。
「ハヤカワ・プラス」は、戦争や歴史の荒波に翻弄される個人をテーマに、世界各国の優れた現代文学を紹介することを目的に創刊された。
早川浩会長は「世界中で戦争や混乱が続く現代。文学こそ思考のよりどころ」として、「創業80年の早川書房が、次の80年をコンテンツ会社として生き残るための重要な基盤にしたい」と意気込む。
5月に刊行された第1回配本の売れ行きは好調だ。ディストピア小説『預言者の歌』(ポール・リンチ著)には「戦争や自由の喪失を身近に感じた」との声が寄せられ、歴史ロマン小説『すべての石に宿る神』(カミーラ・シャムジー著)では、パキスタン出身の作家の作品を日本語で読める新鮮さに反応する読者が目立つ。