
閉館した4図書館の再開を公約に当選した東京都清瀬市の原田博美市長が、旧市立中央図書館の再開を断念した問題で、原田氏が市議時代に中央図書館の解体を前提とした中央公園整備工事請負契約議案に賛成していたことが明らかになった。原田氏を含む共産党会派の4人は反対討論を行わず、修正案も提出せず、議案は全会一致で可決された。
清瀬市では、前市長の渋谷桂司氏が進めた統廃合計画により、6館あった図書館のうち中央図書館と地域図書館3館の計4館が昨年3月に閉館した。中央公園の整備でオープンした複合施設内に新たな図書館が設置され、現在は3館体制となっている。
原田氏は市議を6期目途中まで23年間務め、副議長を2度経験したベテラン議員だった。市議会の議事録によると、中央公園整備工事請負契約議案は令和6年8月2日の臨時会で審議され、当時の瀬谷真副市長は提案説明で「工期は2期に分け、1期工事は複合施設の建築および中央公園の一部を整備し、2期工事は複合施設の建築後に現中央図書館の解体および撤去を含む公園の整備工事を行う」と解体を説明していた。
質問に立った原田氏は中央図書館の大規模改修を選択すべきだったと問題提起したものの、最終的に議案に賛成し、全会一致での可決となった。
昨年12月10日の市議会本会議で、原田氏の質問に対して山口由希図書館長が「旧中央図書館は、令和8年2月以降の第2期工事の中で解体し、用地は令和8年10月には南部地域複合施設と一体となった公園として運営する」と、解体時期を答弁している。
また、令和4年3月に市民に公表された中央公園整備基本計画では、公園内の建物は都市公園法で建築面積が制限されると明記されており、これを精査すれば中央図書館を残す場合には建築面積を縮小するための改築が必要なのは明らかだった。
原田氏は中央図書館再開断念を発表した6日の記者会見で「私の認識不足もあって、昨年度中は解体の工事は入らないだろうと考えていた」と説明。「公約と齟齬がないかと言われればあるということだろうが、地域図書館の再開と、駅前図書館に中央図書館としての機能を充実させていくことで、少しでも公約の実現にと思う」と、地域図書館3館の再開に意欲を見せた。
一方で、図書館サービスに関して市がパブリックコメント(意見公募)を行った際に4館の閉鎖を明記しなかったなど、渋谷氏の進め方に批判が出ている。清瀬市の新旧両市長や全市議には、図書館の将来への責任があるといえそうだ。(渡辺浩)