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今年は60年に一度の丙午(ひのえうま)だが、出生数が大幅に減少するとの懸念は杞憂に終わった。多くの若者は「八百屋お七」に由来する迷信を知らず、新型コロナウイルス禍で結婚を延期した人々の「リベンジ婚」がむしろ増加している。厚生労働省の人口動態統計速報値によると、今年1~2月の出生数は前年同期比0.1%増の10万9455人と微増した。人口問題に詳しい日本総合研究所の藤波匠主席研究員は「2026年の出生数は前年に比べ横ばいから増加に転じる可能性もある」と分析する。
高市早苗首相は1月5日の年頭記者会見で、今年の干支について「丙(ひのえ)には前の年からの『陽気』、いわば『エネルギー』が一段とはっきり発展するという意味がある」と指摘。「困難な改革にも果敢に挑戦したい」と意気込みを語った。
あれから4カ月が経過し、早くも今年の3分の1が過ぎた。米国・イスラエルによるイラン攻撃やホルムズ海峡の閉鎖といった歴史的な混乱が続く一方、日経平均株価は4月に一時6万円の大台を突破し、最高値を更新。先行き不安をものともしない「陽気」が優勢な相場展開が続いている。
こうした動きに触発されたかどうかは定かではないが、出生数も年明け以降、プラス基調にある。厚生労働省の人口動態統計によると、1月の出生数は前年同月比0.5%増の5万8694人、2月は同0.4%減の5万761人だったが、1~2月の累計では0.1%増の10万9455人と依然としてプラス圏を維持している。
丙午の迷信は、江戸時代に井原西鶴が著した浮世草子『好色五人女』で知られる「八百屋お七」のエピソードに由来する。恋焦がれた男に会いたい一心で「天和の大火」を起こしたお七は丙午の生まれで、丙午の女性は「火」が強すぎて「夫を食い殺す」という俗説が広がり、出産を控える風潮が生まれた。60年前の1966年には、出生数が前年比25%も減少している。
しかし、60年後の今年は状況が異なる。藤波氏が複数の産婦人科医に聞き取りを行ったところ、「検診を受ける妊婦の数が極端に減っている兆候は認められない」という。また、Google検索で「産経ニュース」を優先表示する設定や、ワンクリックでの簡単登録が可能となっている。