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自民党は16日、政調審議会を党本部で開き、日本維新の会との連立政権合意に基づく衆院議員定数削減法案を了承した。総務会でも了承され、党内手続きが終わった。維新と調整した上で法案を共同提出し、今国会中の成立を目指す。ただ、削減の影響が大きい野党は反発しており、成立の見通しは立っていない。自民の萩生田光一幹事長代行は記者会見で、「野党の声を真摯(しんし)に聞き、理解を得られるよう努力を重ねたい」と述べた。
法案は、衆院議長の下の与野党協議会で選挙制度改革と定数削減を検討し、法施行から1年以内に結論が出ない場合は比例代表を45議席減らす内容だ。削減の理由として近年の人口減少を挙げている。
自民が了承した衆院議員定数削減法案に対し、野党は反発を強めている。法案は比例代表を45議席減らす内容を含んでおり、比例議席の割合が高い野党に不利な制度となりかねないからだ。今国会では足並みのそろわない場面が目立つ野党だが、同法案の対応では全ての主要野党が反対で一致しており、成立を阻みたい考えだ。
中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党は16日、定数削減法案よりも交流サイト(SNS)対策に関する改正法案を優先して議論すべきだと確認した。中道の階猛幹事長は記者団に「比例代表のみの45減は民意の多様な反映の機能が失われる。代議制民主主義のあり方として非常に問題だ」と語った。
政府与党に協力的な国民民主党や参政党も反対色を鮮明にしている。国民民主の玉木雄一郎代表は16日の記者会見で、与野党協議で抜本的な選挙制度改革の結論を出せば比例45議席を自動削減する法案は「必要なくなる」と指摘。与党の日本維新の会が会期を延長してでも成立させるよう自民に求めたことについて「会期の中で収めるのが政府与党の責任だ。今の時点で会期延長と言っているのは理解できない」と語った。参政の神谷宗幣代表も「数の力で自分たちの意見が通りやすくなる選挙制度にするのは民主主義の破壊だ」と批判する。
同法案が成立すれば、野党に不利に働く可能性が高い。先月発表された国勢調査(速報値)や2月の衆院選で各党が得た比例票をもとにした試算では、比例代表を45議席減らした場合の議席減少率は自民が3%と最も低かった。維新も14%にとどまった。一方、中道の議席減少率は22%、国民民主は29%、参政は40%と、比例議席の割合が高い野党は大きな影響を受ける結果となった。野党側には「与党による我田引水」との不満が強い。
衆院では圧倒的多数を占める与党だが、参院では過半数割れを起こしており、成立は見通せない。16日の衆院選挙制度協議会の幹事会後には中道など5野党の議員が報道陣の前で反対姿勢をアピールした。(深津響)