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【イタリア発コラム】”彼”の時間を待ちわびて ― 長友佑都、最後のW杯で見せる存在意義

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Yuki Tanaka
ワールドカップ - 24 6月 2026

6月20日、メキシコのモンテレイで、日本対チュニジアのワールドカップグループリーグ第2戦を観戦した。

状態がどん底に近いチュニジア相手とはいえ、日本は大舞台で敵を圧倒。まさに歴史的な一戦だった。

森保一監督は積極的に多くの選手を起用する。初戦のオランダ戦を含め、26人の登録選手中22人をピッチに送り出した。残る4人の中に、個人的に気になる選手がいる。チーム最年長のDF長友佑都だ。

長友がセリエAでプレーしていた頃、私は彼のインタビュアー兼番記者を務めていた。

チェゼーナという地方クラブからイタリア3巨星の一つ、インテルへの移籍を果たし、奮闘する彼の姿を間近で見てきた。

当時のインテルには2010年のチャンピオンズリーグ制覇の面子がそろい、世界有数の陣容だった。その中で長友はイタリア3大クラブに初めて加入した日本人選手としてレギュラーに定着し、最終的にゲームキャプテンも務めた。ある意味「とてつもない痕跡を残した」と言っていい。

あれから時は流れ、彼は今、アジア人初の5回目のワールドカップ参加という偉業を成し遂げて大会に臨んでいる。

気になるのは、出番がいつになるのか、だ。

彼がメンバーに選出されたとき、SNSなどでは少なからず批判があった。

「何のために連れていくのか」「もはや終わった選手」「ワールドカップは観光旅行ではない」

そんな辛辣な声もあったと聞く。

2014年のブラジル大会、グループリーグ第3戦、日本はアマゾン近くのクイアバでコロンビアとの重要な一戦に臨んでいた。勝てば決勝トーナメント進出、負ければ敗退の決まる試合だった。

1-1の同点で迎えた後半、コロンビアはハメス・ロドリゲスのゴールで勝ち越し、82分にも彼のアシストから追加点を奪い日本を突き放す。私の隣で観戦していたコロンビアファンたちは狂乱の騒ぎを見せた。

85分、コロンビアのホセ・ぺケルマン監督はGKダヴィド・オスピナに代えて、ファリド・モンドラゴンを送り出す。当時43歳のモンドラゴンは控え中心だったが、長年代表を支えた功労者でありチームのシンボルだった。

大会最年長出場記録を更新する彼の投入の際、隣で騒いでいた一団が静かになり、真剣な表情でスタンディングオベーションを続けた。モンドラゴンの登場を待っていたのだ。今までずっとコロンビアの名を背負い、チームを守り続けてきた男の登場を。

その光景を見て、私はこう思った。「これもまたワールドカップの醍醐味なのではないか」と。

その国の代表の歴史、そこまでの道のり。それを思い出し、様々な場面を振り返りながら、ファンたちはこの祭典に臨む。時には過去を捨て、代表が次の時代に入ることを確認する。そのためにはシンボルが必要だ。チームのベテランは偶像としての機能も果たす。

柿谷曜一朗がゴール前に切り込み強烈なシュートを放つ。モンドラゴンはそれを見事にはじき返した。隣の一団の中にいた老婦人はそれを見て泣き声をあげ、胸で十字架を切りながら何度も祈りの言葉を口にした。モンドラゴンはその出場を機に代表を去った。

1998年のフランス大会、我々は三浦知良と北澤豪の選出外により、その「儀式」を行えなかった。2002年にはその役を中山雅史が務めたように思う。

1998年、アレッサンドロ・デル・ピエロの交代要員としてピッチに上がったロベルト・バッジョは、フランスとの準々決勝でPKを決め、チームは敗れたものの、1994年アメリカ大会で味わったPK失敗の呪いを全てではないが祓ってみせた。多くのイタリアファンはその「儀式」を受け入れ理解した。

その種の起用が、チームの戦いにポジティブに作用することも多い。

26人が「実力」で選ばれていることは大前提だ。それでも、長友にはそれ以上の何かを期待してしまう。盛り上げ役だけでは物足りない。彼にとっておそらく最後のワールドカップ。点差が開いたチュニジア戦、最後の交代枠で出場機会が来るかとひそかに期待した。ただ、ベンチから送り出されたのは21歳の若武者、後藤啓介だった。

後藤は、くしくも私の高校時代の同級生の息子さん。彼のワールドカップデビューに、私は観客席から心からのオベーションを送った。

ただ、まだ「彼」の時間は来ていない。選手に満遍なくチャンスを与える森保監督のこと。それは来る。どこかで必ず……。

筆者は1970年静岡県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1999年からイタリアに渡り、セリエAなどの取材を続けながら雑誌記事の執筆・翻訳、サッカー中継のインタビュアー、テレビ番組のコーディネーターなど多種の仕事に携わる。2010年以降は長友佑都選手、本田圭佑選手のインタビュアー兼番記者として年間50試合近く現場でインテル、ミランの取材を行った。東京オリンピック・パラリンピック2020では柔道、空手、ライフルなどイタリアの複数ナショナルチームの通訳も務めた。著書に『サッカーとイタリア人』(光文社新書)、訳書に『セリエA発アウシュヴィッツ行き』(光文社、2024年サッカー本大賞読者賞)などがある。大阪芸術大学文芸学科教授。

その他、本サイトでは「ワールドカップも対象って知ってる? 日本サッカーの成長を支える「スポーツくじ」」や「FIFAワールドカップ2026|出場国一覧」、「日本代表ベンチが見せる“世界一の団結力”」など、ワールドカップ関連の記事が多数掲載されている。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、Soccer Kingの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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