t>
「バーン」。静かな法廷に、机に平手を強く打ち付ける音が響いた。15日に大阪地裁で開かれた、大阪地検特捜部が捜査した事件を巡り、付審判決定により特別公務員暴行陵虐罪に問われた元特捜部の検事、田渕大輔被告(54)の第2回公判。録音・録画されていた取り調べ映像の一部が再生され、容疑者だった不動産会社「プレサンスコーポレーション」(当時)の元部長の「うそ」をきっかけに、机をたたき、「検察なめんなよ」と大声で追及し始めるという経過が明らかにされた。
再生された令和元年12月6~9日の取り調べのうち、最初の2日間は、録音・録画について「私の監視の道具。でもね、私は一つもこれ、気にしない」と発言したり、「検察の理念」を示しながら、容疑者の主張に耳を傾ける大切さを語ったりしていた被告。机をたたく場面もあったが、言動がより苛烈になったのは8日だった。
検察側は取り調べの録音・録画は任意であり、違法性はないと主張。一方、弁護側は、被告の暴行や脅迫により、元部長が虚偽の自白を強いられたと指摘している。公判では、録音・録画の証拠が採用されるかどうかが、争点の一つとなっている。
裁判では、取り調べ映像の全容が公開されるかどうかも注目されている。検察と弁護側の双方が、証拠としての映像の重要性を訴えているが、全面公開の可否については、裁判所が慎重に判断する見通しだ。
この裁判は、検察の取り調べ手法が司法の場で改めて問われるケースとして、専門家からも注目を集めている。元検事による権限乱用の疑いが、どのように判断されるのか。今後の公判の行方が注目される。