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カームダウン・クールダウンスペース、空港から公共施設へ拡大 大阪万博が普及の鍵に

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Aiko Yamamoto
経済 - 01 7月 2026

発達障害や自閉症の人々が人混みや騒音などの非日常的な環境でパニックに陥った際に利用する「カームダウン・クールダウンスペース」の設置が広がっている。東京五輪・パラリンピックを契機に空港などの公共施設で導入が進み、2025年大阪・関西万博の会場にも設置が予定されており、関係者は「大阪万博が今後の普及の試金石になる」と期待している。

大阪万博に向けて開港以来最大の改修が行われている関西国際空港では、昨年10月に第1ターミナルの国内線新エリアにカームダウン・クールダウンスペースが2カ所設けられた。

このスペースは通路の端に高さ1.7メートルのパーティションで区切られた約2平方メートルの空間で、内部にはソファが置かれ、壁には吸音素材が採用されている。関西エアポートの担当者は「できるだけ騒音は届かず、照明の直下を避けた」と説明する。

パニック症状が出た際、静かな場所で15〜20分過ごすことで落ち着くとされ、こうした場を提供する意義がある。日本発達障害ネットワーク理事長で児童精神科医の市川宏伸さんは「落ち着かせることが重要。なだめようと話しかければ、余計に興奮してしまう」と話す。同団体などは以前から公共施設への設置を訴えてきた。

同スペースへの関心が急に高まったのは東京五輪・パラの開催がきっかけだ。政府は平成29年2月の「ユニバーサルデザイン2020行動計画」で、訪日客の玄関口である成田、羽田両空港において、多くの人が利用しやすい世界トップレベルのユニバーサルデザイン水準の達成を目指すとした。

この方針を受け、必要な設備や対応を検討した成田空港は平成30年1月に同スペースを設置。その後、羽田、関空、中部など主要空港でも導入が相次いだ。

東京五輪・パラのメイン会場として令和元年に開業した新国立競技場(東京)では個室タイプが設けられ、他の公共施設でも設置事例が増加している。さらに、同スペースを示すピクトグラムも作成され、JIS規格に登録された。

ただし、各設備の広さや設置場所、照明、遮音性などは統一基準がないためまちまちだ。世界標準を探るイベントとなるはずだった東京五輪・パラは無観客開催となり、ユニバーサルデザインに詳しい東洋大の高橋儀平名誉教授は「無観客になり、設置者は検証しようにもできなかった」と話す。

関係者が注目するのは大阪万博だ。日本国際博覧会協会は専門家らのワークショップで協議し、会場入り口など8カ所に同スペースを設ける方針。また、パビリオンの出展者向けにガイドラインを提示し、室内が暗い、光や大きな音の出る演出があるなど、同スペース設置が望ましい事例を示している。

高橋氏は「万博は多様性への対応が求められ、海外を含め率直な意見を受け止める場となる」と指摘。「スペースのあり方の今後の指標になる」と期待する。

東京五輪・パラを機に徐々に浸透しているカームダウン・クールダウンスペースは、空港以外の公共施設や民間オフィスなどにも設置が広がり、メーカーも工夫を凝らした商品を開発。今後さらに普及が進みそうだ。

大阪府河内長野市立図書館では平成30年11月、個室の朗読室をパニック時の休憩にも使える「よむ・きく・やすむへや」を設置。知的障害者が過ごしやすい環境整備を考える研究会に参加した際、専門家から提案を受けたという。

この事例を知った大阪府立中央図書館(同府東大阪市)は今年2月、仕切り板にいすを設けた簡易タイプで運用を開始。同館は「まずは設置することが大事。利用者の意見から改善を図りたい」と話す。

民間企業でも取り組みが広がっている。文具メーカーのコクヨは6月、大阪市東成区の本社オフィスを改装し、ブースで区切られた「カームダウンエリア」を新設した。

設置にあたっては、身体・精神障害者を雇用する特例子会社「コクヨKハート」の従業員らの意見を取り入れ、間仕切りを高くしたり、明るさを調整できるようにするなど、より落ち着きやすい環境を整えた。

商品開発も活発だ。岡山県総社市の建材メーカー「オーエム機器」は8月、「MOMOTTE(ももって)カームダウンスペース」を発売。開発過程では、外部から内部の安全確認がしやすいよう足元の開口部を広げるなどの改良を加え、商業施設での実証実験の知見を生かした。

開発部の湯浅誠二部長は「障害者の就労支援施設からの相談で必要性を知り、開発に取りかかった。大学や市役所、図書館などさまざまな施設から引き合いが来ている」と話す。(藤谷茂樹)

カームダウン・クールダウンスペースとは、発達障害、知的障害、認知症などのある人が精神的にパニックになった際に冷静になるためのスペース。「落ち着く」(Calm down)と「冷静になる」(Cool down)という英語を組み合わせた名称で、海外では「センサリールーム」とも呼ばれる。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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