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コンビニエンスストア大手のファミリーマートは、自社の決済アプリ「ファミペイ」と国内約1万6000店舗に設置したデジタルサイネージ(電子看板)を活用し、物販と広告を融合させる「メディアコマース事業」に本格的に乗り出した。同社は2030年度までに広告関連売上高400億円を目指す。
ファミリーマートは2019年に開始した「ファミペイ」に加え、伊藤忠商事やNTTドコモなどとの合弁会社「データ・ワン」を通じて、連携するドラッグストアや食品スーパーの購買データも収集している。今年2月時点で、日本の成人人口の約半分に相当する計5500万IDを保有し、1日当たり2300万人分の購買者データを取得できる体制を整えた。
これらのビッグデータと店舗内サイネージを組み合わせ、2025年度には440社に対して広告・マーケティングサービスを提供した。広告主の業種は保険、金融、自動車など、店舗で直接商品を販売しない企業にも拡大している。
昨年4月には、韓国の現代自動車の新型電気自動車(EV)の試乗会を首都圏中心に10店舗で実施。売り場、サイネージ、アプリ通知を連動させた広告展開により、数十台の成約につながった。今年3月には三重県内5店舗でトヨタ自動車の電動車の試乗会も開催。さらに今年1月からは動画広告から実店舗での購買やイートイン、駐車場での体験を結びつける新広告パッケージ「ファミマまるごとメディア」を開始した。
ファミリーマートは2026年度内に6千万IDへの拡大を見込み、現在150億円の広告関連売上高を30年度に400億円に伸ばす計画だ。今年2月の都内での戦略発表会で、当時の細見研介社長は「従来の小売業を超えて、情報産業、広告業、今まで考えられなかった分野に成長の領域を広げていく」と述べた。(小島優)