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21日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時1ドル=163円24銭を付け、1986年12月以来、約39年7カ月ぶりの歴史的な円安ドル高水準となった。22日の東京市場でも、円安の流れは続き、投機筋は政府・日銀の「防衛ライン」を165円と見て、安値を試す動きを強めている。
安値を探る動きは21日のニューヨーク市場から加速した。22日の東京市場も163円台前半を中心に推移し、午後5時現在は前日比34銭円安ドル高の162円93~95銭だった。
円相場の歴史的な落ち込みは、中東情勢の混乱懸念による「有事のドル買い」だけが要因ではない。エネルギー輸入増加による貿易赤字や、米巨大ITへの支払い増による「デジタル赤字」拡大懸念といった構造問題も大きな要因となっている。
高市早苗政権が掲げる「責任ある積極財政」による財政悪化懸念も円売りの一因とされる。163円台を付けたのは、積極財政の姿勢を前面に押し出した経済財政運営の指針「骨太の方針」が21日に閣議決定された後だった。
骨太の方針を巡っては、6月に示された原案で、日銀に関し「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」などとする文言が入り、政権による牽制とみられて円が売られる事態が起きた。最終的に日銀の独立性に言及する文言を盛り込んだが、円安の流れを止めることはできなかった。
「必要があれば、いつでも適切に断固たる対応をする」。片山さつき財務相は22日午前、記者団にこう述べ、為替介入を示唆した。
しかし、市場では一時的な介入は根本的な解決にならないとの見方が根強い。「片山氏の発言にも慣れてきた」(関係者)というのが現実だ。
投機筋は一時的な介入ショックに備えつつ、安値を探っており、物価高を招く過度な円安を防ぎたい当局との攻防は熱を帯びている。SMBC日興証券の丸山凛途シニア金利・為替ストラテジストは「次の介入ラインは165円か」と指摘している。