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家族と同居しているにもかかわらず、家の中で孤立する中高年が増えている。東京都健康長寿医療センターの調査によれば、同居家族がいる人の方がひとり暮らしの人よりも孤独感を強く感じるケースが少なくないことが明らかになった。外からは見えにくい「家庭内孤立」は、現代社会の新たな盲点となっている。
調査では、60歳以上の男女を対象に孤独感の指標を測定。その結果、配偶者や子どもと同居している層でも、約3割が「しばしば孤独を感じる」と回答した。ひとり暮らしの高齢者の孤独感は4割を超えるが、同居者の存在が孤独を完全に防ぐわけではない実態が浮き彫りになった。
家庭内孤立の背景には、家族間のコミュニケーション不足や役割の喪失がある。特に定年退職後の男性が、家事や育児に参加せず「邪魔者扱い」されるケースが多く、会話が減り居場所を失う。専門家は「物理的な距離より心理的な距離が孤独を生む」と指摘する。
また、コロナ禍による在宅時間の増加が、家族間の摩擦を表面化させた。普段は仕事で離れていた時間がなくなり、互いの生活リズムや価値観の違いがストレスに。東京都健康長寿医療センターの研究員は「同居は必ずしも安心材料にならず、むしろ孤立感を強める要因になる」と警鐘を鳴らす。
この問題への対策として、地域のサロンやオンライン交流の場への参加が推奨されている。家族以外の社会的つながりを持つことで、家庭内の孤立感が和らぐという。行政も「家庭内孤立」を新たな支援対象と捉え、相談窓口の充実を進めている。同居の有無だけでなく、関係の質に注目した対応が求められる。