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台湾などで緊迫化する東アジア情勢を念頭に、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が、他国から武力攻撃を受けるなど国民保護法上の有事に対応する約300人体制の医療チームの創設を検討していることが21日、関係者への取材で分かった。災害派遣経験がある全国の医師らを招集して入院患者や高齢者らの迅速な避難をサポートすることを狙うという。有事に特化した医療チームの創設は異例。令和8年度内の発足を目指す。
国民保護法では、他国から日本が武力攻撃を受け、国民に身の危険が迫った際、国からの指示で自治体は防災行政無線などで速やかな避難を促す。ただ、医療機関の入院患者や在宅医療を受ける患者、高齢者らの避難は、容易ではない。過去の災害でも度々問題となり、移動の負担で死亡するケースも確認されていた。
このため、JIHSは有事の際に、これらの移動による健康不安を持つ「要配慮者」の避難をサポートする「救護班」の創設を模索。普段各地の医療機関で働く、医師や看護師らにJIHSの臨時職員の身分を与え、情勢が緊迫化し、武力攻撃が予想される「武力攻撃予測事態」の段階で招集を開始。要配慮者の安全な場所への移動を支援する。また、戦闘状態から離れた安全圏で戦傷者の治療に従事させる構想も浮上している。
チームの医師らは、災害医療派遣経験のある人材などを想定し、定員は376人を見込む。JIHS内には事務局も設けられ、広域的な派遣調整を行う方針だ。今後、JIHSは、医師や看護師らと、医療機関の三者で協定を結び、8年度からの滑り出しを目指すという。
一方、JIHSは、原子力災害発生時の体制も強化する。災害派遣医療チーム(DMAT)に放射線防護の教育や緊急時の調整に当たる医師と事務官計2人を配置することも決めた。
令和7年4月に国立感染症研究所と国立国際医療研究センターが統合して発足した。感染症などに関する調査・研究などを行い、医療や公衆衛生対策を打ち出し、国民の健康を守っている。東京都新宿区に本部があり、災害派遣医療チーム(DMAT)の事務局も置かれている。