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最大震度7を観測した熊本地震は、猛暑のさなかの被災となり、電気や水道が止まった地域での避難生活を一段と厳しくしている。政府内には、居住自治体から近隣自治体へ移る「広域避難」を検討する向きもあるが、調整を担う県や送り出す被災自治体の判断は見通せない。広域避難は令和6年の能登半島地震でも課題となったが、実践例が乏しく、普段からの自治体間連携が問われそうだ。
実際に、自治体をまたぐ避難を選んだ被災者もいる。熊本市南区城南町舞原の無職、鬼塚敏洋さん(76)は妻(72)と7月30日までの2日間、数十キロ離れた同県玉名市の長女宅に身を寄せた。
自治体をまたいで避難した理由は断水だ。10年前の熊本地震も経験し、「長女の家の近くに住まいを移してもいいかも」とつぶやくが、住み慣れた土地を離れる不安もあり踏ん切りはつかない。
また、現地入りした医療チームは夜の暑さをしのごうと少しでも風通しのいい玄関にシートを敷いて寝る在宅避難者の姿や、避難所ではアスファルトの上で寝る被災者の姿も確認したという。
広域避難の受け皿を整えるには、被災者の健康状態や移動手段をどう把握するかが課題になる。制度は整いつつあるが、熊本県は状況把握に追われており、送り出す自治体と受け入れる自治体が連携できるかが問われている。