
社民党は29日、東京都内で党大会を開き、党首選で再選された福島瑞穂氏の続投と、服部良一幹事長の後任にラサール石井副党首を充てる人事を正式に決めた。しかし、党首選の結果発表記者会見で、福島氏に敗れた候補者の発言を認めなかったことについて、出席者から「真摯(しんし)な反省」と「民主的な」党運営を求める声が上がり、来賓も苦言を呈する異例の一幕があった。
党大会であいさつした福島氏は、高市早苗政権の憲法改正をめざす動きについて「かつてないほど改悪の危機にさらされている」と指摘。殺傷能力のある武器の輸出全面解禁を「死の商人国家にさせてはならない」と批判した上で、「社民党の出番だ」と訴えた。
来賓あいさつに立った全国労働組合連絡協議会の渡辺洋議長は、6日開票の党首選再選挙で福島氏に敗れた大椿裕子前参院議員の「発言封じ」に言及。福島氏が「配慮が足りなかった」と釈明したことなどを念頭に、「混乱への言い訳に終始した印象しか残っていない」と批判した。さらに、「リベラル勢力を束ねる役割は必要だが、それをいまの社民党に求めることができるのか」と党運営に苦言を呈した。
社民党内の亀裂は以前から指摘されてきた。かつて福島氏は「わが党は共産党とは異なり、党首公選制をとる中央集権的ではない政党だ」と訴えていたが、今回の人事では最高決定機関である常任幹事を「福島派」が独占したとされる。内部からも民主的な運営を求める声が改めて上がっている。
党大会で表面化した対立は、党勢回復に向けた課題を浮き彫りにした。福島氏は再選されたものの、党内の結束が不十分なまま、リベラル勢力の結集を目指すには困難が伴うとみられる。今後の党運営が問われることになる。
No Comments