
韓国で5月1日のいわゆるメーデーが今年から「労働節」として公休日となり、大統領官邸で歴代初の記念式典が開かれ、テレビ中継も行われた。左翼革新系の李在明政権が打ち出した労組・労働者重視の姿勢が鮮明になった。
メーデーは19世紀後半、米国の労働争議事件を起源とし、国際的に社会主義運動の一環として広まった記念日だ。韓国では1960年代から「勤労者の日」として国の記念日に指定されたが公休日ではなく、政府主催の式典もなく、日本のように労働団体の集会やデモにとどまっていた。
一方、社会主義国の北朝鮮では「労働節」として以前から公休日であり、韓国もこれで北朝鮮と並ぶことになった。李政権の決定は、左翼革新勢力を意識したものとみられる。
昨年6月に発足した李政権は、外交では保守路線をとり、特に野党時代とは一変した対日友好外交で日本から好感を得ている。しかし内政では革新姿勢を強めており、支持基盤の労組や左翼勢力に配慮せざるを得ない状況がうかがえる。
李大統領は記念式の演説で少年時代の工員生活を振り返り、労働者への思いを強調した。だが、こうした労働者重視策を今後の経済発展戦略とどう調和させるかが、政権の大きな課題として残っている。