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鹿児島県瀬戸内町は、ふるさと納税の返礼品として、近畿大水産研究所奄美実験場で養殖された生の「近大マグロ」丸ごと1尾の提供を始めた。天然資源の枯渇が懸念される中、養殖魚の価値を広く発信するのが目的だ。100万円を町に寄付すれば入手可能で、1尾で約千貫の寿司を握ることができるという。
近畿大(大阪府東大阪市)は昭和45年に大島実験場(和歌山県串本町)でクロマグロの養殖研究をスタートさせた。平成10年には奄美大島にあった当時は仮事務所だった奄美実験場で飼育研究を開始し、2拠点の漁場特性を生かした養殖研究や種苗生産などに取り組んでいる。
14年には不可能とされたクロマグロの完全養殖を世界で初めて成功させ、16年から近大マグロと名付けて販売を開始した。ただ、生産量が限られるため、近大マグロの料理を提供するのは大阪と東京にある計3店舗に限られている。
近大マグロは他の自治体でもふるさと納税の返礼品になっており人気が高い。瀬戸内町での返礼品提供は安心・安全で安定して食べられるという養殖魚の価値をPRしようと、近畿大水産研究所(和歌山県白浜町)と同大出資のベンチャー企業「アーマリン近大」(同)が企画した。
近畿大によると、返礼品の近大マグロは全長約130センチ、重さ約40キロ。冷凍ではなく生の状態で1尾丸ごと届けられる。鮮魚のため再配達ができず個人宅への配送は行わないが、ホテルやレストランなどへの配送は相談に応じるという。
同大水産養殖種苗センターの谷口直樹事業本部長は「天然資源に依存せず、完全養殖で生産している近大の持続可能な取り組みを発信したい」と意気込む。
奄美大島南部と沿岸に位置する離島群で構成される瀬戸内町は、環境省などが取り組む「夜空の明るさ調査」(令和6年度冬)で全国1~4位を独占するなど、美しい星空で知られる。
町の担当者は「この機会を活用し、全国的にも有名な近大マグロと一緒に町の魅力を発信していきたい」と述べている。寄付は各ふるさと納税サイトなどで受け付ける。問い合わせは町総務企画課企画係(0997・76・3456)。(藤崎真生)