t>

「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)で爆発が起き、女性従業員2人が死亡した雑貨店運営会社「ハビタ」の幹部が3日、産経新聞の取材に応じ、犠牲になった2人が地震後に一時避難した後、売上金を金庫へ移すため会社側の指示で館内に戻ったことを明らかにした。幹部は「私が指示をしたのは事実。責任を痛感している」と述べた。
また、同社が地震発生後に従業員を避難させていた熊本県内のほかの3店舗でも、同様に売上金の金庫への保管を従業員に指示していたことが判明した。同社の危機管理のあり方が問われることになりそうだ。
取材に応じた湯瀬剛二営業部長(64)によると、イオンモール熊本の店舗では地震当日、大竹玖瑠美(くるみ)さん(22)と同僚の女性(25)が勤務していた。地震発生後、同社は当日休日だった店長を通じて2人の無事を確認した。その後、湯瀬氏はイオンモール熊本が当面休館となる可能性を考え、店長に「もし戻れるのであれば売上金を金庫に保管してほしい」「無理ならば可能な範囲で」などと求めた。
店長から依頼された2人は、7月28日午後5時35分ごろ、一般向けの入口から館内に戻った。爆発は午後5時50分ごろに発生。イオンモール熊本では2人を含め計7人が死亡した。
イオンの吉田昭夫社長は29日に開いた記者会見で「避難後は館内に入らないマニュアルになっている」と強調していた。湯瀬氏もマニュアルを知っていたとした上で「なぜそうしたミスを犯したのだろうと後悔している」と述べた。
湯瀬氏は地震発生直後、安全確認のためイオンモール熊本の店舗のほか、県内にある3店舗の店長に連絡し、施設側からの許可を得た場合に売上金を回収して金庫に保管するよう伝えていた。許可を得た3店舗の店長はそれぞれ売上金を回収し、金庫に保管したという。
一方、湯瀬氏によると、2人が館内に戻ろうとした際、入口にはイオンのスタッフがおり、「気をつけて」と言われ、制止されることはなかったという。
湯瀬氏の説明に対し、イオンの担当者は3日、取材に「再入館を可能だという主旨を(従業員に)伝えたという事実はない」と説明。当時の状況について、現地スタッフらの聞き取り調査を進めているとした。(木下倫太朗、土屋宏剛)