
スーツ離れが加速する現代、青山商事が投入した「みんなのスーツ」(1万2980円)が異例の売れ行きを示している。価格と着心地、扱いやすさを両立させたこの製品は、かつてスーツを敬遠していた層や「たまにしか着ない」消費者から熱い支持を獲得している。同社の戦略がなぜ今の時代にマッチしたのか、その背景を探る。
最大の特徴は、驚異的な安さと機能性の両立だ。1万2980円という価格帯は、従来の青山商事のスーツと比べても破格でありながら、ストレッチ素材を採用することで動きやすさを確保。さらに、裾上げが不要なデザインがユーザーの手間を大幅に省いた。
特に「裾上げ不要」という点が、スーツを年に数回しか着用しない「たまに着る層」に刺さった。従来のスーツは購入後に裾上げが必要で、時間と費用がかかる。みんなのスーツはそれを初めから省略し、買ってすぐに着られる手軽さを実現した。
スーツ離れの背景には、リモートワークの普及やカジュアル化がある。しかしその一方で、冠婚葬祭や急な商談などでスーツが必要な場面は依然として存在する。みんなのスーツは、そうした「低頻度・低予算」の需要にぴったりとはまった。
青山商事は今後もこの「日常的に着なくても、いざという時に困らないスーツ」というコンセプトを軸に、さらなる販路拡大を狙う。価格破壊と利便性の追求は、スーツ業界に新たな潮流を生む可能性を秘めている。
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