
米OpenAIと米Amazon傘下のAWSは4月28日(現地時間)、既存の提携を大幅に拡大し、OpenAI製品のAWSでの提供を開始すると発表した。この発表の前日、OpenAIは米Microsoftとの間で結んでいた、自社製品のAzureでの独占提供を義務付ける提携を改定したばかりだった。今回の動きは、特定のインフラに縛られないOpenAIの新たなマルチクラウド戦略を具現化する第一歩とみられる。
今年2月に締結された既存の戦略的提携では、AWSがOpenAIの企業向けプラットフォーム「Frontier」の独占的プロバイダーとなり、推論・学習向けチップ「Trainium」の大規模利用などで合意していた。しかし、APIサービス自体は引き続きMicrosoft Azure上でホストされる構造だった。今回の提携拡大により、AWSの顧客は自社のAWS環境内で、OpenAIの最新フロンティアモデルや、コーディング支援エージェント「Codex」、「Amazon Bedrock Managed Agents」を直接利用できるようになる。まずは限定プレビューとして提供される。
Amazon Bedrockを利用するメリットの1つに、企業が既に利用しているAWSのセキュリティやガバナンスなどをそのまま引き継げる点がある。ユーザーは単一の使い慣れたAPIを通じて、米Anthropicや米Metaなどの他社の有力モデルとOpenAIのモデルを比較・展開できる。これにより、企業はクラウド環境を統合し、複数のAIモデルを効率的に活用することが可能となる。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは、Amazonとのパートナーシップについて「OpenAIのモデルとAmazonのインフラやグローバルなリーチを組み合わせることで、強力なAIを実用的な規模で企業やユーザーの手に届けることができる」とコメントした。同氏は前日、Xへの投稿で「Microsoftは引き続き当社の主要なクラウドパートナーだが、今後はすべてのクラウドで製品やサービスを提供できるようになる」と説明している。
この提携拡大は、OpenAIが従来のMicrosoft Azureへの依存度を下げ、複数のクラウド事業者と協力する戦略転換を示している。企業顧客にとっては、自社のクラウド環境に合わせてOpenAIの最先端AIを導入できる柔軟性が高まることになる。業界では、OpenAIのマルチクラウド戦略がAI市場の競争に与える影響に注目が集まっている。
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