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ホビーショップ「ジャングル」(大阪市浪速区)はイタリアの著名コレクターから約1万2500点の玩具コレクションを買い取り、このうちロボットアニメに関する約7000点の展示・販売を始めた。海外でもコレクターの高齢化が進んでおり、保管スペースや維持費などの事情でコレクションを手放したいが、欧米では中古ショップが少なく、日本の大型店が一括で買い取る形となった。国内でも流通数の少ない貴重な玩具が多数含まれ、マニア垂涎(すいぜん)の〝お宝〟が帰国した。
大阪・日本橋のホビーショップ「ジャングル 空想的機械館―メカストア―」(同)2階のショーケース内には、「マジンガーZ」や「機動戦士ガンダム」、「トランスフォーマー」など1970~80年代を中心とした希少なビンテージ玩具がずらりと並ぶ。中には日本でほぼ流通したことがなく数百万円の値付けが見込まれるガンダムのロボットも。同社代表取締役の塩田浩司さん(59)は「日本のコレクターが見たことがないものもあり、まずは展示して見てもらい、今後、オークションなど販売方法を検討したい」と話す。
これらのコレクションはイタリアの漫画家・イラストレーターで、日本のロボット玩具研究家としても知られるグリエルモ・シニョーラ氏(63)が約30年にわたって収集してきたものだ。
同氏は日本のロボット玩具に関する書籍を出版するなど、欧州のコレクター界で知られる存在だが、「終活や家庭の事情」(塩田さん)のためコレクションの整理を決断。しかし、欧州ではこうしたホビー商品を扱うのは個人商店がほとんどで、一括買い取りできる専門店がない。このため、イタリア最大のポップカルチャーイベント「ルッカ・コミックス&ゲームズ」に長年出展して交流のあったジャングルに「まとめて買い取ってもらえないか」と相談があった。
同社スタッフが訪れると、シニョーラ氏は自宅、実家に加えてガレージと倉庫の4カ所に大量のコレクションを保管していた。保存状態もよく詳細なリストも作られていたという。交渉の結果、塩田さんは数千万円での買い取りを決めた。
2001年に米国に進出し、現在ロサンゼルスに5店舗を構えるなど早くから海外展開してきた塩田さんによると、日本だけでなく海外のコレクターも高齢化が進んでおり、当人に何かあったときにコレクションの値打ちの分からない家族に捨てられたり、安く売り払われたりする可能性がある。コレクションの行く末に苦慮する海外コレクターも多いとみられ、今回の買い取りを知った別の海外コレクターからも問い合わせが来ており、近く商談を行うという。
一方、円安の影響もあって、海外よりも日本の相場は安く、来日したコレクターが日本のホビー商品を大量に購入し、「ビンテージ品が日本からなくなって、商材が枯渇していく」(塩田さん)状態でもある。
こうした背景を踏まえ、同社は海外イベントでの現地買い取りや海外向け査定サービスを拡充するほか、海外で収集された日本製のホビー商品を国内で展示・販売する取り組みを進める方針。海外のコレクターから買い取り、再び日本で流通させることで往年のファンだけでなく、若い世代に日本の玩具文化の魅力を伝える機会となりそうだ。(中野謙二)