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神奈川県内に路線が走る大手私鉄5社(東急電鉄、小田急電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道、京王電鉄)は今年度、計2274億円の設備投資を行う。安全性を高めるホームドア設置や、輸送を効率化するワンマン運転化の準備を推進。京急は久里浜線の複線化計画を凍結し、東急は昨年の事故で損傷した2編成を新造・補充する。
各社の今年度の設備投資額は、東急641億円(前年度比159億円増)▽小田急586億円(150億円増)▽京急449億円(79億円増)▽相鉄160億円(35億円増)▽京王438億円(4億円増)-で、計427億円増。品川駅付近の連続立体交差事業を進めている京急は過去最多の額となる。
京急は、久里浜線の京急久里浜-三崎口間8.9キロの複線化に向けた国の工事認可を更新せず、3月末で失効した。約50年前から計画していたが、沿線人口や観光客が減少する中、輸送力の強化は不要と判断した。
東急は、昨年10月に田園都市線梶が谷駅構内で起きた衝突事故で10両編成2本が利用不能となったため、今年3月のダイヤ改正で減便を行った。新造車両は来年度に完成予定だが、列車本数を戻すかどうかは今後検討する。
施設面では、相鉄の全27駅でホームドア設置が完了する。費用を運賃に上乗せできる国の「鉄道駅バリアフリー料金制度」を使って進めてきた。残る海老名駅の工事を6月ごろ終える。
小田急も同制度を使い、令和14年度までに新宿-伊勢原間の全駅などで整備。また今年度は、藤沢駅のホームと橋上駅舎をつなぐエスカレーター、エレベーターを供用開始する。
京急は今後3カ年で、ホームドアを川崎大師、県立大学など20駅に設置。また災害対策として、杉田-京急富岡間などで線路沿いの法面の補強工事を進める。
東急田園都市線では、鷺沼駅前の再開発に合わせ3月に駅改良工事を始めた。田奈駅で行っているリニューアル工事は12月ごろ、宮崎台駅は来年度完成する。
車両では、京急と相鉄が車内防犯カメラの全車両への設置を今年度完了する。
小田急は、車体幅が広く快適性を高めた5000形車両を3編成増やす。3年後の運行開始に向け、新型ロマンスカー(80000形)の詳細設計を行う。
京王は、車いすやベビーカーを利用しやすいフリースペース付きの車両を増やしている。今年度は新型の2000系を2編成導入するほか、9000系の2編成を改装して全車両にフリースペースを設ける。
ワンマン化への取り組みも進む。小田急はすでに回送列車をワンマン化し、12年ごろには新宿-相模大野間の旅客列車でも始める計画だ。今年度は、駅ホームの監視カメラの映像を運転席で確認できるようにするなど、車両改造を始める。