
高市早苗首相は27日午前の参院予算委員会で、中東情勢の悪化に伴う補正予算の編成について「現時点で必要と考えていない」と明らかにした。国民への電気やガスの節約要請についても否定し、経済活動の継続を重視する姿勢を示した。
立憲民主党の森本真治氏が質問に立ち、中東情勢の緊迫化で国内の中小企業やエネルギー関連事業者に影響が広がっていると指摘。「早急に緊急経済対策と補正予算を編成しなければ、5月から休業する事業者が増える」と危機感を訴え、「総理から指示を出してほしい」と求めた。
これに対し高市首相は、政府がすでに講じている緊急的なガソリン補助金について、2025年度予算の予備費も活用していると説明。「残高として十分な金額がある」と強調した。さらに、今月7日に成立した今年度予算の予備費についても必要に応じて充当できるとし、「現時点で補正予算の編成が必要な状況とは考えていない」と答弁した。その一方で「今後の推移を見ながら、ちゅうちょなく必要な対応は打たせていただく」と述べ、状況次第で追加策を検討する余地を残した。
エネルギーの供給不安をめぐり、国民に節電や節ガスを呼びかけるべきだとの与野党からの声については、首相は「少し控えるように制限をかけたらどうか、というご意見もいただく」と認めたうえで、「しかし私は、経済活動も社会活動も止めるべきではないと思っている」と語った。政府として一律の節約要請を行うことは当面見送る考えを示した形だ。
日本は原油の約9割を中東に依存しており、イランやイスラエルをめぐる緊張の高まりは国内エネルギー市場に大きな不透明感をもたらしている。ナフサなど石油化学製品の供給不安もくすぶり、企業の間では調達先の切り替えや在庫確保の動きが広がっている。政府は予備費の活用やガソリン補助金の継続で対応しているが、長期化すれば追加の財政措置を迫られる可能性もある。
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