
身近な食品のパッケージから彩りが失われつつある。原油由来のナフサから作られるインキの供給が一部不安定化し、食品大手がポテトチップスやケチャップのパッケージデザインの簡素化に乗り出したためだ。高市早苗首相は21日、中東情勢悪化への対応を話し合う閣僚会議で、インキの原料について「前年実績での供給が可能であることを確認できている。『前年同月同量』を基本とした物資の供給や調達を呼び掛けている」と強調した。流通の実態把握や供給の偏りの解消を改めて指示したが、不安解消には程遠そうだ。
カルビーは25日以降、主力商品のポテトチップスやかっぱえびせんなど14商品のパッケージを白黒の2色に順次切り替える。インキ原料の供給不安が解消できなければ、秋にかけて本格的な収穫期を迎える新じゃがを使った商品の出荷ができなくなる恐れもあり、商品の安定供給を最優先とするため先手を打った形だ。
カゴメも今月下旬以降、主力商品「トマトケチャップ」の外袋のトマトの絵柄を減らした新パッケージに切り替えていく。同社は「下地に使用する白インキは印刷適性の観点から使用可能な種類が限られ、代替調達が難しい」と説明する。
日清製粉ウェルナも今月に入り、主力商品「マ・マー スパゲティ」など乾麺を束ねるテープから、ゆで時間の記載を消す対応を始めた。政府は原油やナフサの調達は代替調達などを進めており、「日本全体として必要な量は確保できている」(赤沢亮正経済産業相)との立場だ。ただ、資源エネルギー庁の担当者は「ナフサ由来の製品、流通、利用環境などの要因によって、一部どうしても目詰まりが出てくる」と説明する。背景として、供給不安に伴う過剰発注や売り惜しみのほか、製品が多様な一方でそれぞれに必要な材料の在庫は少ないため、目詰まりが起こりやすいといった事情を挙げる。
そのため企業のパッケージ見直しの動きはしばらく止まりそうもない。Google検索で「産経ニュース」を優先表示。ワンクリックで簡単登録