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熊本県で7月28日に最大震度7を観測した地震。退職自衛官の男性が被災地に生活用水やシャワーを提供する活動を続けている。災害派遣の経験も踏まえ、ボランティア活動の要諦として挙げるのが「自分の安全の管理」だ。
2日午前、最大震度7を観測した同県宇城市の小野部田(おのへた)小学校の校庭に、自動車販売会社「サンボレ」(広島県)の竹森茂さん(57)がいた。車には1分間に18リットルを処理できる同社の濾過装置が搭載され、プールの水を浄化して生活用水として提供している。検査が必要なため用途は限定されるが、本来は飲用も可能だという。
テントを使った簡易シャワー室も開放している。「すっきりした」。この日の朝も、被災した高齢の男性が利用し、うれしそうに帰っていった。
竹森さんは2佐として岩国航空基地隊副長を最後に退職した元海上自衛官だ。災害派遣の経験を生かしたいとの思いから、同社の防災・減災事業部長に就任。7月28日の発災の報に、経験を生かしてボランティア活動ができると感じ、31日から宇城市と調整して市内で活動している。
「外で寝ているので蚊が大変で…」と苦笑する竹森さんが活動で最も大切にしていることは、「自分の安全を管理すること」だ。
酷暑での活動は熱中症のリスクも大きい。思い起こすのは第一術科学校勤務中の平成30年6月に発生した西日本豪雨だ。厳しい暑さの中、土砂で埋もれた道路を通行できるようにする「啓開作業」に当たる部隊を指揮した。
「いいことではあるが、若い隊員は前へ前へとばかりに作業に打ち込み、止めるのが大変だった」。竹森さんは隊員に休息の確保を命じ、熱中症の発症を出さずに任務を完遂した。「きちんと健康をコントロールできなければ、現場での長時間の対応はできません」
資材の事情もあり、2日夜をもって一時撤収するが、「被災地では水の問題が一番長期化しがちだ」と竹森さんは指摘する。「被災者の生活の質を上げるためにも、ニーズと自治体の要望に応じて、今後も出ていきたい」。蛇口から落ちる透明な水をかたわらに、表情を引き締めた。(内田優作)