t>

中国の学術界とメディアが、沖縄の日本帰属は未確定だとする「琉球(沖縄)地位未定論」に加え、今度はフィリピン最北部バタン諸島の中国領有を主張し始めた。いずれも中国政府が公式に提起するのは「無理筋」だが、台湾問題への介入を牽制(けんせい)する外交カードとして利用する構えだ。
昨年11月の高市早苗首相による台湾有事を巡る国会答弁以降、中国は対日圧力の一環として「琉球カード」を再び積極的に切っている。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報によると北京大学で6月下旬、「第5回琉球・沖縄学術問題国際シンポジウム」が開催され、100人近くの学者が「琉球の歴史や中国との交流、現在の安全保障情勢」などを議論したという。
中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長はシンポで「日本は継続的に琉球への軍事配備を加速しており、東アジア地域の情勢を緊張させている」と批判。学術サイト幹部は「琉球は人類がいかに文明の多様性を維持し、公正な国際秩序を構築するかの映し鏡だ」と沖縄の独立性を強調した。
新疆ウイグル自治区やチベット自治区での人権弾圧が国際的な非難を集める中国に「文明の多様性」を説く資格があるのかは疑問だが、中国メディアは沖縄の「悲惨な歴史」に寄り添う姿勢を押し出している。
官製メディアとして最も権威のある人民日報は6月23日付で「民族の傷口と未完の正義-琉球の100年を超える苦難と闘争」と題した長編の特集記事を掲載した。昭和47年の米国からの沖縄返還について「国連や関係国の承認を得ておらず、戦後国際秩序の琉球問題に関する取り決めを重大に損なった」と主張し、「第二次大戦の(沖縄戦における)虐殺や自殺の強制、性暴力から戦後の米軍基地による騒音や環境汚染、悪質な犯罪に至るまで琉球人の苦難はいまだ終わっていない」と訴えた。