t>

厚生労働省の受動喫煙対策専門委員会の議論が大詰めを迎える中、国会内の喫煙スペースに改めて注目が集まっている。超党派議連は撤去を提言するが、愛煙家の議員らが強く抵抗するとみられる。
超党派「受動喫煙防止対策を推進する議員連盟」(会長・三原じゅん子前こども政策担当相=自民党)は3日、国会内で会合を開き、厚労省の専門委員会が報告書をまとめる前に、上野賢一郎厚生労働相に議連の提言を渡す方針を確認した。
議連提言は、加熱式たばこを巡る規制強化などに加え、屋内喫煙スペースが約80カ所ある国会施設を、学校や病院などと同じ敷地内禁煙とする区分変更も盛り込んだ。
議連幹事長の松沢成文参院議員(日本維新の会)は「民間の施設に受動喫煙対策をお願いするのであれば、法律をつくる国会が『かいより始めよ』で自らやるべきだ。国民から見れば、国会の議員特権じゃないかと言う人もいる」と述べ、国会からの喫煙スペースの撤去を訴えた。
衆参両院の事務局によると、国会議事堂内や国会議員の事務所が入居する議員会館の建物内にある喫煙スペースは衆院51カ所、参院28カ所で計79カ所に上る。他に参院予算委員会などの開催時に開放される議員向けの喫煙スペースも存在する。
特に問題視されているのが、衆院本会議場の入り口のすぐ脇に並ぶ2つの喫煙ブースだ。
改正健康増進法で第一種施設に分類された学校や病院、行政機関などの庁舎は敷地内禁煙であるのに対し、それら以外の第二種施設は原則屋内禁煙で、条件を満たした喫煙専用室の屋内設置が認められている。国会も第二種施設で、屋内喫煙スペースの設置が認められているが、同じ第二種施設である全国の裁判所は自主的に敷地内全面禁煙としている。
改正健康増進法を成立させ、学校や病院などに厳しい規制を課した国会自身の受動喫煙対策が甘いのは道理に合わないとして、撤去を求める声は以前から与野党内に根強い。
衆院本会議場入り口付近の喫煙ブースは、新型コロナウイルスが蔓延し、ソーシャルディスタンスの保持が推奨された時期も、議員らがすし詰め状態で喫煙することがあり、感染対策の観点から問題視された。このため、令和3年2月から新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」に移行した5年5月まで、ブース内に仕切りを設けて利用人数を制限したが、ブース自体は撤去されることなく、現在も設置されている。議連は改正健康増進法の見直しに合わせた国会の禁煙化を目指すが、松沢氏は同法制定時の経験から、こんな弱音も口にした。「たばこを吸う国会議員の皆さんは、『国会だけは全面禁煙なんて許されない』と大反対した。国会は、たばこを吸う方が多いので、いつも『それだけは絶対駄目だ』ということになって終わっちゃう」(原川貴郎)