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自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党の4党が提出した「日本国旗損壊罪法案」が26日、衆院内閣委員会で可決され、今国会で成立する公算が大きくなった。法案は「人に著しく不快または嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損した者は2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処する」と規定する。どのような行為が対象となるのか、有識者として同委に出席した桃山学院大学法学部の江藤隆之教授に見分け方を聞いた。
江藤氏は「国旗損壊罪の対象となるかどうかのポイントは大きく分けて2つある」と指摘する。第1に、対象が法案で定義された「有体物」に当てはまるかどうかだ。国旗は「社会通念上、国旗の用に供していると認識される有体物」と定義されている。第2に、行為が「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊・除去・汚損する行為」に該当するか。この2つを両方満たせば処罰対象となる。
自民党は「対象外」のケースとして、「アニメ、マンガ、人工知能(AI)などによって作成された画像」(有体物にあたらず)、「実写映画の中で国旗を損壊する場面の上映」(同)、「報道やリポストなど第三者が行う行為」(公然と損壊などにあたらず)、「自室で汚損した国旗を屋外で掲げる行為」(同)、「お子様ランチの旗や、絵画の一部として描かれた旗の損壊」(同)などを例示した。
逆に「処罰対象」になるのは、「自治体の庁舎に掲げられている国旗を引きずり下ろして投げ捨てる」「人通りの多い場所で国旗を裂く、燃やす、切る」「公園・公道で踏みつけ、泥をつける、尿をかける」「自室で切る・燃やす様子を撮影し、ライブ配信または事後配信」といったケースが想定される。
ただし、処罰対象とされた行為でも事実認定には難しさがある。江藤氏は「行為をしている人が映画やドキュメンタリーフィルムの撮影だと主張したら、『実写映画は対象外』との説明との間で問題が生じる」と指摘。こうしたケースでは処罰対象か否かについて、形式的な判断ではなく「客観的な状況等を勘案して判断」(江藤氏)することになる。
また江藤氏は、対象外とされたものでも線引きが難しいケースがあると問題視する。例えば「お子様ランチ」でも、餃子の上に中国の旗、ステーキの上に米国の旗、寿司の上に日本の旗が刺さっていれば「それが国を表していることは明らかで、『国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物』に当たらないとは言い切れない」(江藤氏)。スポーツなどの「日本代表チームのための寄せ書き」も対象外だが、「不快な表現が書き込まれた場合は絶対に問題にならないとはいえない」(江藤氏)。
国旗損壊罪を巡っては、サッカーワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会の日本人サポーターが顔に日の丸を描いた「フェイスペイント応援」について、フリーアナウンサーの古舘伊知郎氏が問題視したことでも話題になった。何を不快に感じるかは個人差があり、これもグレーゾーンになりかねない。
江藤氏は「適用するかしないかは最終的には裁判所の判断となるが、一般の人は、裁判所の判断になる前の起訴、捜査対象になったり通報されたりするだけで負担に感じる。法律は『条文を読めばこれは確実に大丈夫だとわかる』というところまで明確性を持つべき」だと課題を指摘した。(千葉真)