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今年の夏休みシーズンは、物価高や円安、中東情勢悪化による燃料高、猛暑など旅行環境にマイナス要因が重なっている。旅行大手JTBは、旅行者数の前年割れを見込むが、旅行意欲自体は活発だ。混雑や暑さのピーク時期・時間帯を避けたり、近場を選んだりする工夫が広がり、旅先でしかできない特別な体験に費用や時間をかける「メリハリ消費」の傾向が鮮明になっている。
JTBが発表した夏休み期間(7月15日~8月31日)の旅行動向見通しによると、中東情勢や円安の影響で海外旅行は前年比8.8%減の217万人、国内旅行も同4.4%減の6900万人と落ち込む見通しだ。
一方で、「お金をかけ豪華に過ごす」との回答は前年から1.2ポイント増えており、消費意欲は衰えていない。JTBの担当者は「ピーク時期を避け費用を抑えるなど、工夫している人が多い」と説明する。
観光庁の村田茂樹長官は15日の記者会見で「9月の連休へ時期を分散する傾向がある。それでも(夏休みの)取り扱い額(売上高)が前年を上回る旅行会社もある」と指摘した。時期分散に加え、行き先を近場にしたり、電車を使って燃料高を回避するケースも見られる。
旅行予約サイト「Agoda(アゴダ)」では、検索数の伸びが横浜(前年比17%増)や名古屋、大阪(いずれも同15%増)など都市部に集中。旅行大手の日本旅行でも、燃料高を避けられる鉄道利用プランの予約数が同35%増と好調だ。さらに猛暑を避けるため、旅行中の活動時間帯を朝や夕方以降にずらすトレンドも生まれている。
旅行予約サイト「ケーケーデイ」では、早朝に山々の景色を一望できるロープウエーツアーなどが人気だ。炎天下の行列を回避するため、花火大会の有料観覧席を事前予約する動きも強まっている。JTB総合研究所の中尾有希主任研究員は、こうしたメリハリ消費を「体験の質を守り満足度を上げるための賢い自衛策」と分析し、「工夫して快適性を最大化させる旅行が増えていくだろう」との見方を示している。