
大阪地検のトップだった北川健太郎被告(66)が準強制性交罪に問われている事件で、被害を訴える女性検事が30日、所属先の大阪地検に辞表を提出した。同日午後には大阪市内で記者会見し、辞職を決意した経緯や思いを語った。
北川被告は2018年9月、検事正としての影響力を利用し、酒に酔って抵抗できない部下の女性に自宅官舎で性的暴行を加えたとして起訴されている。
女性は会見の冒頭で「一つの区切りとして辞表を提出した」と述べた。
女性は今年3月、検察組織内のハラスメント調査を独立した第三者委員会に委ねるよう法相や検事総長に要望書を提出。「実現しない場合は4月末で辞職する」としていたが、検察側から十分な対応は得られなかったと説明した。
女性は会見で、被害申告後に職場で受けた周囲の言動についても言及した。
女性は、被害申告後に「虚偽申告だ」などと中傷されたとして、同僚の副検事を名誉毀損などの疑いで告訴したが、後に不起訴処分となった。そのため、女性は副検事と同じ職場にしないよう配慮を求めたが、かなえられなかったという。
女性は「検事の仕事が大好きで、職場に戻りたかった」とした上で、「もう耐えられないと思って辞表を出さざるを得なくなった」と語った。同日、副検事の不起訴処分は不当だとして大阪第二検察審査会に審査を申し立てた。
女性によると、辞表提出後、地検内で辞職手続きが進む見通しで、退職日は未定という。
北川被告は昨年10月の初公判で起訴内容を認めて謝罪したが、その後弁護側が無罪主張に転じる方針を表明。公判は争点整理が続き、第2回公判の日程は未定。
被害者は、性被害をきっかけに仕事を失う事例は珍しくないと指摘し、検察が被害者を支えなかったことへの失望と怒りを表明した。
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