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日産自動車は、北米向けミッドサイズSUV『ムラーノ』の新型を日本市場に導入し、6月3日から注文受け付けを開始した。国内での試乗機会が限られているため、北米主要自動車メディアによる評価を基にその実像を整理した。
2025年モデルとしてフルモデルチェンジした新型ムラーノについて、北米メディアは総じて「快適性と上質感の大幅な向上」を高く評価。その一方で、「価格の高さ」「ハイブリッド不在」「動力性能の物足りなさ」を共通の課題として指摘した。
最大の評価ポイントとなったのはパワートレインの刷新だ。従来の3.5L・V6エンジンとCVTを廃止し、新たに2.0L・VCターボエンジンと9速ATを採用した。
『MotorTrend』は、新パワートレインによる応答性向上やボディ剛性の改善を評価。「スポーティではないが、長距離移動における快適性はクラス上位」とした。またゼログラビティシートについても高い評価を与えている。
『Car and Driver』もシートの快適性を高く評価した一方、加速性能は力強さに欠けると指摘。「従来型より良くなったが、なお物足りない部分もある」と総括した。
『Autoblog』はCVT廃止を歓迎。9速ATによる自然な変速フィールや滑らかなパワーデリバリーを評価し、市街地から高速道路まで快適性と安定性のバランスが取れているとした。
乗り心地を高く評価したのは『Road & Track』。新採用の周波数感応式ダンパーによる快適性向上や、ロール剛性向上による操縦安定性の改善を評価した一方で、「スポーティSUVではなく、ワインディング走行向きではない」と指摘している。
『Edmunds』は「V6を失った代わりに、より洗練された日常向けSUVへ進化した」と評価。ただし価格については高級車並みとの見方を示し、北米市場でのメーカー希望小売価格は4万1670~4万9800ドル(約670万~約800万円)と伝えた。
内外装の進化を高く評価したのが『Motor1』。刷新されたエクステリアに加え、インテリア品質の向上やGoogle Built-inを含む最新の日産コネクトの採用を評価し、「改良されたパワートレインとサスペンションによって運転体験は大きく向上した」と結論付けた。
各媒体の論調を総合すると、新型ムラーノは「V6消滅」よりも「CVT廃止」が歓迎されたモデルと言える。北米市場ではCVTへの評価が必ずしも高くなく、9速ATへの変更を支持する声が目立った。
一方で、燃費性能が大きく改善していないこと、価格設定が高めであること、ハイブリッド仕様が用意されていないことは、多くの媒体が共通して指摘した課題だった。
総じて北米メディアは、新型ムラーノをスポーティSUVとしてではなく、快適性や上質感を重視したミドルサイズSUVとして再評価している。日産が狙う「プレミアム志向の快適SUV」という方向性については、おおむね成功との見方で一致している。
今回日本市場に導入されたムラーノは、米国テネシー州スマーナ工場で生産されるミッドサイズクロスオーバーSUVだ。日産は2026年2月に国土交通省が創設した米国製乗用車の認定制度を活用して日本導入を実現した。
エクステリアは、薄型LEDヘッドライトや左右に広がるリアコンビネーションランプ、20インチアルミホイールを採用。ワイドで存在感のあるデザインとしている。
インテリアには12.3インチの統合型インターフェイスディスプレイを水平に2画面配置し、操作性と視認性を向上。広い室内空間と十分な荷室容量を確保した。ボディカラーはターコイズブルー、スーパーブラック、プリズムホワイトの3色を設定する。
パワートレインは、日本初導入となる2.0L・VCターボエンジンを搭載。日産独自の可変圧縮比技術により最高出力180kW(245ps)、最大トルク352N・mを発生。9速ATと組み合わせ、高い燃費効率と加速性能を両立した。
駆動レイアウトは4WDを採用。専用チューニングを施した周波数感応型ダンパーと電動パワーステアリングにより、優れたハンドリング性能と乗り心地を実現したという。
安全装備では、360度セーフティアシスト(全方位運転支援システム)を標準装備。プロパイロットや、車体下の視界を表示するインビジブルフードビュー、交差点などで前方左右の死角確認を支援するフロントワイドビューを備えたインテリジェント アラウンドビューモニターなどを搭載する。
全国希望小売価格(税込)は、4WD車の「SV」が796万4000円。日産はこの新型ムラーノで、プレミアム志向の顧客を取り込む狙いだ。