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SANTA CLARA, CALIFORNIA – JULY 01: Folarin Balogun #20 of the United States leaves after receiving a red card for a foul on Tarik Muharemovic #4 of Bosnia and Herzegovina during the FIFA World Cup 2026 Round of 32 match between USA and Bosnia and Herzegovina at San Francisco Bay Area Stadium on July 01, 2026 in Santa Clara, California. (Photo by Maja Hitij – FIFA/FIFA via Getty Images)アメリカ代表FWフォラリン・バログン(モナコ)の出場停止処分に1年間の執行猶予が与えられた前例のない決定は、FIFA(国際サッカー連盟)規律委員会のわずか1名によって下された可能性が高いことが、イギリス紙『タイムズ』の報道で明らかになった。
バログンはFIFAワールドカップ2026の決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)でボスニア・ヘルツェゴビナ代表と対戦した試合、相手選手の右足首を踏む危険なプレーによりオンフィールド・レビューの結果、64分に一発退場となっていた。
本来なら自動的に次の試合は出場停止となるはずだったが、FIFAはバログンの処分に1年間の猶予を与える異例の判断を発表。同選手はラウンド16のベルギー代表戦にも先発出場を果たしていた。
このFIFAの決断は大きな波紋を呼び、アメリカのドナルド・トランプ大統領からFIFAへの働きかけがあったことも報じられた。ベルギーサッカー連盟(RBFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)は非難の声明を発表する事態に発展した。
一方、同じくオンフィールド・レビューで一発退場となったイングランド代表DFジャレル・クアンサー(レヴァークーゼン)には、自動的な1試合出場停止に加え、重大な反則プレーとして追加1試合の出場停止処分が下され、計2試合の出場停止となった。バログンとの扱いの違いがさらに物議を醸した。
今回の報道によると、衝撃的かつ前例のない決定を下したのはFIFA規律委員会のモハンマド・アル・カマリ委員長が独断で決断したものだった模様で、他の17人の委員は誰1人としてこの件に関与していないという。
もしこれが事実なら、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長がトランプ大統領から電話を受けた際に「独立した司法機関が管轄しており、しかるべき機関によって適切な時期に決定が下される」と説明した主張と矛盾することになる。18人いる規律委員会も実質的には1人の判断で動いていたことになる。
またFIFAは、バログンに関する決定理由を記した文書を公表しておらず、W杯にレッドカードによる自動出場停止規定が導入されて以来、処分が取り消されたのは今回が初めてであるにもかかわらず、なぜ出場停止が免除されたのか説明することも拒んでいる。
イギリメディア『BBC』のスポーツ編集長ダン・ロアン氏は、W杯準々決勝イングランド対ノルウェー戦に訪れたアル・カマリ委員長に、バログンとクアンサーの件について質問したが、同委員長はいずれも回答を拒否したことが明らかになっている。
物議を醸すこの決定を巡る波紋はとどまりそうになく、FIFAのガバナンスや透明性に対する批判がさらに強まる可能性がある。
アメリカ国内ではトランプ大統領がSNSで「Thank you」と投稿し、自身の関与をほのめかすような発言をしたことも話題を呼んだ。大統領の直接的な介入があったかどうかは不明だが、FIFAが政治的圧力に屈したのではないかとの疑念が拭えない。
ベルギーの敵将は「エイプリルフールだとは知らなかった」と皮肉を込めてコメントし、判定に強い不満を示した。ベルギー協会は「引き続き追及していく」と声明を発表し、FIFAに対して正式な説明を求めている。
アメリカ代表の指揮官は「歓迎すべきだと思う」とバログンの出場猶予を評価する一方、クアンサーの処分との差については明確な言及を避けた。
バログン自身は「僕の手に負えるものではない」とコメントし、騒動の渦中に巻き込まれたことを複雑な心境で受け止めている。チームメートも「影響はなかった」と口を揃えるが、外部からの注目は試合そのものにも影を落とした。
クアンサーについては、イングランド代表監督が「FIFAから説明がない」と明かし、公平性への疑問を呈した。同選手は2試合出場停止を受け、チームの準々決勝進出に貢献できなかった。
今回の一件は今後のW杯やFIFAの信頼性に長期的な影響を及ぼす可能性がある。アル・カマリ委員長の説明拒否と情報非公開が続けば、サッカー界の統治機関としての正当性が一段と問われることになるだろう。