
米国・イスラエルとイランの交戦をめぐり、トランプ米政権が重大発表を行う直前に巨額の不審取引が確認され、米国内でインサイダー取引疑惑が浮上している。政府関係者の関与を示す証拠は確認されていないが、政権は職員に内部情報を取引に利用しないよう注意を喚起した。規制当局も調査に乗り出し、真相解明を求める声が強まっている。(藤木祥平)
インサイダー取引疑惑の舞台となっているのは主に2つある。株や原油の先物市場と、「予測市場」だ。予測市場は政治、経済、紛争、文化など幅広い分野について、将来に起こる事象を「はい」と「いいえ」の選択肢から選び、暗号資産などを用いて賭けを行う。近年急拡大し、昨年の市場規模は400億ドル(約6兆2千億円)以上との推計もある。
予測市場での不審な取引は、2月28日の米イスラエル軍のイラン攻撃直後から確認された。
「内部関係者とみられる6人が、米国によるイラン攻撃に賭け、120万ドルを稼いだ」。欧州の分析会社、バブルマップスは同月28日、X(旧ツイッター)にこう投稿した。
投稿によれば、予測市場の代表的プラットフォーム、ポリマーケットで攻撃開始の数時間前に「2026年2月28日までに米軍がイランに空爆するか」との予測に対し、「イエス」への「賭け」が集中した。米紙ニューヨーク・タイムズはその後の分析で、それまで米国によるイラン空爆が始まるとの見方は劣勢だったにもかかわらず、攻撃開始日になって150以上のアカウントが1千ドル以上の賭けを数百件行っていたと報じた。