
神奈川県横須賀市の走水海岸で、今年も潮干狩りが中止された。同海岸で潮干狩りが行われたのは2019年が最後で、アサリが激減したのが原因。横須賀市東部漁業協同組合走水大津支所によると、再開のめどは立っていない。
走水海岸は1960年代ごろから埋め立てが続いた東京湾に残った数少ない砂地の浅瀬で、3月下旬から7月上旬にかけて潮干狩り場としてにぎわってきた。
同支所によると、アサリが少なくなり異変を感じたのは2020年。新型コロナウイルスの感染拡大時期でもあり、1年の中止を決めたという。
その後も状況は変わらず、沖で掘ったアサリを浅瀬に巻いたり、稚貝を定着させる採苗袋を使用するなど、関係者は試行錯誤を繰り返したが、うまくいかなかった。
漁師らによる試し掘りでも、家庭で食べるみそ汁分程度しか採れず、今年で7年連続の中止となった。
プランクトンが豊富な海域で育ち身が肉厚な「走水あさり」は、2017年に「かながわブランド」として登録された。
しかしアサリ漁も行われなくなり、県農政課によると、22年には「安定的な生産維持が難しい」として登録が更新されず、同ブランドから抹消された。
アサリ減少の原因について、水温上昇による海流の変化を指摘する声がある。ある漁師は「ツメタガイが出てきたと思ったら、アサリが減った」と食害を推測する。
神奈川県水産技術センターは「温暖化に伴い海洋環境が大きく変わっているのは事実だが、それがどう影響しているのか分かっていない」としている。
同支所の萩原功一主任は「(潮干狩りが)できないのは残念。再開は難しいと思っている」と厳しい表情を見せる。(橋本謙太郎)