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静岡市は老朽化が深刻な上下水道への対策として、災害拠点病院や避難所などの重要施設につながる上下水道を1本の線としてとらえ、一体的に優先して工事を行う「選択的線的耐震化」に乗り出した。大規模地震などで上水道、下水道のいずれかが破損すれば水は使えなくなり、災害活動、避難生活に深刻な影響を与えかねない。市は「大地震時も、水を使って流せる安全・安心」を掲げており、その取り組みが注目される。
「南海トラフ巨大地震などが起きる前にしっかりやっておかないと大変なことになる」。静岡市の難波喬司市長は4日の定例記者会見で葵区で進める「牛妻・門屋導水管」の耐震化工事に触れ、上下水道一体の耐震化の必要性を訴えた。市長はこの導水管の老朽化が特に深刻だと指摘した。
同導水管は昭和初期に敷設され、市内の水道供給の約2割を担う重要な施設だが、経年劣化が進行している。耐震性が不足しており、大地震時に破損すれば広範囲で断水が発生する恐れがある。市は優先的に耐震化工事を進めている。
南海トラフ巨大地震は今後30年以内に70~80%の確率で発生するとされ、静岡市はその震源域に近い。上水道と下水道の連携が取れていないと、避難所でのトイレ不足や医療活動の停滞など、人命に関わるリスクが高まる専門家も警鐘を鳴らす。
市は「大地震時も、水を使って流せる安全・安心」を実現するため、選択的線的耐震化を核に、今後10年間で重点エリアの整備を完了させる計画だ。コスト削減と効率化を両立させたこの取り組みは、他都市のモデルケースとしても期待されている。