
世界最大級の自動車展示会「北京国際モーターショー」が24日、中国・北京市で開幕した。世界最大の自動車市場である中国では、電気自動車(EV)へのシフトといった「電動化」に加え、自動運転などの「知能化」が急速に進展している。台頭する地元中国メーカーが優位に立つ中、生き残りをかける日系メーカーの間では戦略の成否によって明暗が分かれ始めている。各社は巨大市場での地歩を固めるため、技術革新への対応を急いでいる。
日産自動車のイバン・エスピノーサ社長は、会場での記者発表会で「中国は電動化と車両の知能化において、当社の重要な拠点になりつつある」と強調した。同社はこの日、SUVタイプのプラグインハイブリッド車(PHV)などのコンセプト車を発表し、1年以内の発売を予告している。現地主導で開発したEVセダン「N7」の好調を背景に、部品調達の現地化を徹底してコストを抑制する方針だ。中国人の好みを反映させた大型ディスプレーの採用など、徹底した現地最適化で販売回復を目指す。
トヨタ自動車も、現地企業との提携を軸にした積極的な攻勢を強めている。展示された新型EVセダン「bZ7」には、中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の基本ソフト(OS)「ハーモニーOS」を採用するなど、現地の先端技術を柔軟に取り入れた。発表会に登壇した高級車ブランド・レクサス中国法人の馬驪総経理は、研究開発や人材登用の現地化を推進してきた実績を強調した。馬総経理は「現地化戦略を新たな高みに押し上げる」と語り、現地ニーズに即した迅速な開発体制をアピールした。
一方で、今回のモーターショーでメディア向けの発表会を見送るという異例の対応を取ったのがホンダだ。北京と上海で隔年開催される大規模なショーにおいて、発表会を行わないのは極めて珍しい事態と言える。同社は現在、中国市場を含む世界的な販売不振に直面しており、EVを中心とした四輪車事業の戦略見直しを余儀なくされている。他社が華やかな新型車披露で耳目を集める中、ホンダの沈黙は市場環境の厳しさを象徴している。
中国の新車販売では昨年に新エネルギー車(NEV)が過半を占めるほど電動化が進み、ガソリン車中心だった日系メーカーには厳しい逆風が吹き荒れている。かつてのブランド力だけでは通用しない市場で、現地ニーズに即した「知能化」への対応が勝敗を分ける鍵となっている。日産やトヨタが見せる現地企業との協調や徹底したローカライズが、再び日本勢の存在感を高める突破口になるかが注目される。激変する中国市場での生き残り競争は、まさに正念場を迎えている。
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