
新車購入時のカーナビ装着率が高まる中、今年発売された『カローラスポーツ』や『CR-V』には高機能カーナビが搭載されている。
乗用車ユーザーにとって気になるのは、路側機から発せられるETC2.0と光ビーコンの情報がカーナビ画面に表示されることだ。
高機能カーナビでなければ表示されないため、知らない人も多いだろう。輸入車の高機能ナビ利用者なら、走行中に「渋滞情報」や「安全運転啓蒙メッセージ」が地図表示の脇や上にかぶさるように出てくるのを経験した人もいるはず。
「どうせうちのカーナビは、そんな高度な機能はついていませんよ」とひがむ必要はない。むしろついていない方が使いやすい。その二つの情報は役に立たないどころか、迷惑なことの方が多いと思う。
ざっくり説明すると、ETC2.0は国交省が高速道路、光ビーコンは警察庁が一般道を担当している。
まずETC2.0。広域の交通情報を図形で表示するが、広すぎる。例えば首都高から中央自動車道に入ったばかりなのに、長野県の渋滞情報を頻繁に出してくる。こちらがそこまで行かないと憤慨してもお構いなく、ポンと音がして、場合によってはしゃべって説明もする。
関係ない情報をずっとしゃべるのはうるさいだけ。煩わしいので音を消すと、表示が出ているかわからなくなる。表示されても数秒で消え、確認する暇がない。
消えた情報を再度表示させることもできるが、カーナビによっては深いところにスイッチがあり、高速道路を走りながら操作できない。
「いやいや、ETC2.0は道路情報だけでなく、ICを降りて近くの道の駅やガソリンスタンドに寄っても料金が割増しにならない」という施策もあるが、制限時間は1時間。ETC2.0で入店を確認しないと適用されない点はせこい。普通のETCカード利用者全員に適用し、2時間程度にすべきだ。
そして光ビーコン。一般道を走ると情報がどかどか落ちてくる。そのたびにナビ画面に表示され、地図が読みにくくなる。カーナビによっては画面全体を覆うため、地図がまったく読めなくなる。
道がわからないからカーナビを使っているのに、それを隠すように情報を表示してどうする。「○○通り、順調」と表示されても順調なら情報不要。「○○から××まで△km渋滞」と示されても、場所がわからないことが多い。
「基本を守ろう!安全確認!スピードダウン!シートベルトの着用!」といった長い文章を表示し、運転中に読ませるのは前方不注意を招く。これでいいのか。
ほかにも、表示文字が小さい、図形デザインがださい、目的地設定中にその間の情報だけ出せないか、車線変更時に注意を削ぐタイミングで出るなど、言いたいことは山ほどある。
情報を伝えるのは悪くない。うまく使えば有益なシステムだが、いつ、誰に、どのタイミングで、どういう情報を出すべきかという基本をないがしろにし、とにかく出せばいいという使い方には閉口する。
国交省も警察庁も、効果評価の検証をしていないのでは?やればいいと思っている?それ全部、税金なのに。
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言。コンパクトカー取材やノンフィクション作家として命の尊さを伝える活動も。レスポンスではアラフィー女性ユーザー視点のインプレとコラム『人道車医』を連載中。