
冬眠から目覚めた「春グマ」による人的被害が後を絶たず、市街地への出没も相次いでいる。2025年度の被害者は238人で、うち13人が死亡と過去最悪を記録。自治体判断で市街地での発砲を認める「緊急銃猟」は今年3、4月で既に5件実施された。行楽シーズンを迎え、観光地やイベント会場では関係者が危機感を強め、対策を講じている。
「こんな街中に出るなんて」。マンションが立ち並ぶ仙台市中心部で4月19日、体長約1・5メートルのクマが現れ、住民から不安そうな声が漏れた。住宅街の茂みに半日ほどとどまり、当初は箱わなで捕獲を試みたが、市は緊急銃猟で駆除した。
市の担当者は「日没後に見失えば市民に危害が及ぶ恐れがあった」と説明。住民は安心した表情を見せたが、クマの市街地出没に対する警戒は続いている。
4月に入り、富山市の住宅や工場が立ち並ぶ地域では、犬の散歩をしていた40代女性がクマに顔などを引っかかれ負傷。また、岩手県紫波町の沢では、クマに襲われた55歳の女性の遺体が発見された。
行楽シーズンを迎え、各地の観光地やキャンプ場では注意看板の設置や巡視の強化など警戒を強めている。クマの活動が活発になる時期を前に、自治体は住民や観光客に注意を呼びかけている。