
米OpenAIは6月11日(現地時間)、クラウド開発環境を提供する米Ona(旧Gitpod)を買収すると発表した。買収総額は非公開で、規制当局の承認などの通常手続きを経て完了する見込みであり、手続き完了までは両社は独立した企業として運営を継続する。
Onaは2020年にニューヨークで創業された非公開企業で、以前は「Gitpod」のブランドでWebブラウザベースのクラウド開発環境を提供し、200万人以上の開発者に利用されてきた。2025年9月にOnaへリブランドし、AIエージェント向けのセキュアなクラウド実行・オーケストレーション基盤へと事業を転換した。共同創業者のヨハネス・ラントグラフCEOによれば、2026年に入ってから同社のエージェントセッション数は13倍に成長しているという。
OpenAIはこの買収により、AIコーディングツール「Codex」にOnaの技術を統合する計画だ。Codexは現在、週に500万人以上が利用しており、年初から利用者数が400%増加している。当初はソフトウェア開発者向けのツールだったが、今ではより幅広いユーザーが複雑な作業に活用している。
OpenAIは、Codexがより高度な作業を処理するにつれ、数分ではなく数時間から数日にわたる長時間タスクが増えていると説明する。ユーザーがPCの前にいなくても作業を継続し、どこからでも進捗を確認・指示できる環境が必要だとし、Onaの技術により、エージェントがセキュアで持続的なクラウド環境の中で必要なツールやシステム、コンテキストにアクセスしながら長時間稼働できるようになるとしている。
また、Onaの顧客管理型実行モデルにより、AIエージェントは顧客自身のクラウド環境内で動作し、OpenAI側はAIの知能とオーケストレーションを提供するという分離構造を実現する。これにより、企業はインフラやデータ、セキュリティ境界の管理を維持しつつ、Codexの能力を活用できるようになる見込みだ。
買収完了後、OnaのチームはOpenAIに合流し、Codexチームと連携してエンタープライズ向けのセキュアな実行環境の開発を進める。なお、Onaは現在、米Anthropicの「Claude Code」や米Anysphereの「Cursor」など他社のコーディングツールにもクラウド環境を提供しているが、買収完了後のサードパーティツールへの対応について、両社は言及していない。