
中東情勢の緊迫化による物価高騰を受け、東京都は29日、中小企業支援策などを盛り込んだ総額542億円の補正予算案を公表した。この予算案は、6月に開かれる令和8年都議会第2回定例会に提案される予定だ。
中小企業の経営安定化に向けた取り組みとして、融資制度の拡充などに136億円を計上。原材料価格の高騰で打撃を受けている企業に対し、利益率向上につながるシステム導入などを支援する方針だ。
価格転嫁が難しい保育所や特別養護老人ホーム、医療機関などの公定価格施設を対象にした「物価高騰緊急特別対策事業」には232億円を充てる。これは国からの交付金を活用し今年1月から実施してきた支援金支給などを、都が独自に拡充・継続するものである。
石油の代替エネルギー確保には173億円を計上。廃食用油などをリサイクルした燃料「SAF」の利用促進やナフサの代替素材の開発支援、さらに廃棄電子機器からの希少資源回収プロジェクトにも取り組む。
また、はしか(麻疹)の感染拡大を受けて、ワクチン接種を無料化する事業に1億円を充てる。補正予算の財源は都が積み立てる財政調整基金などを充当する。小池百合子知事は29日の記者会見で「都民や事業者の不安を確実に払拭したい」と述べた。